50話 異世界サバイバー
「とりあえず必要そうなものはこんな感じかな?」
異世界に持ち込みたい物について女神に伝えると、用意自体はすぐに出来そうとの事だった。
ただ、より良いものを探すとなると数日かかりそうとの事だ。次の転移までに用意はしてくれるとの事だったので、転移の間隔が少し空くが急ぐものでも無いし問題ないだろう。
「石鹸はねこちゃんの元いた世界にあるやつなら洗う分には何でも出来そうだけど、それよりもっといいやつですかねー?」
「他にいいのが無かったらそれでもいいけど、もっと簡単に綺麗になったりする物があると嬉しいかな」
「うーん、なかなか難しいお題ですねー…とりあえず探してみますー」
性能のいい石鹸って自分で言うのもあれだがどんなものだろうか。
身体を洗う石鹸としての役割を果たしつつ、服を洗える洗剤としての役割も果たせる…。
意外と成分の配合がどうとかの話になってきて、誰でも空を飛べる魔女箒みたいな分かりやすさは無さそうだ。
「あとは懐中電灯とか明かりになるようなものがあるといいかもですねー」
「確かに、今まで夜真っ暗で何も出来なかったしあると嬉しいね。でも夜に懐中電灯をつけると虫とか寄ってこないかな」
「虫除けみたいなものも探してみますねー」
前回の転移では夜は疲れて寝るだけだったので盲点だった。言われてみれば持ち込んだ食料を食べる時に真っ暗ではやりづらいし、あると何かと嬉しいだろう。
女神からまともな提案が出てくるとは驚きだった。
「それにしても意外と色々必要なものですねー…。小説で異世界に行く人とか殆ど何も持ってないイメージだったんですがねー」
「そもそも街の近くの地上に転移出来ればこんなに考えなくていいんだけど」
「そういえばそうでしたー」
そもそもこんなに考えなければいけない原因を自覚していなかったらしい。
とはいえ、街の近くに転移できたとしても上手くやっていけるかは別問題で、持ち込める物はあった方が良いのだが。