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4話 大自然溢れる世界

 転移については開発中とは言うが、何か装置があるという訳でもなく、予兆無く視界が光に包まれるので、魔法陣や詠唱のようなものは無いが魔法のような物のように感じる。

 神様が開発するようなものなので、そもそも謎技術としか言えないものなのだけれども。


 視界に広がる光が消えた時、目の前に広がるのは先日と同じ上空からの景色だった。

 パラシュートの方は上手く機能しているようで、この調子であれば上手く着陸できそうだった。


 そういえばこんな上空で防寒着を着てないけど大丈夫だろうか?と思ったが、不思議と寒さを感じることは無かった。

 今着ている服はあのクソ女神が用意したもので、見た目はオシャレな秋用ファッションといったものだが、何か不思議な施しがされているらしい。

「ちょっとぐらい人が住みづらい環境でも平気なようにしてますー」

 そんなことを前に言っていたような気がする。

 もっとも、宇宙や溶岩などちょっとじゃない状況には無力だったが…。




「それにしても、辺り一面大自然ね」


 ひとまず安全に降下できそうだったので周りを見渡して見たところ、草原、山、川、海と辺り一面大自然といった様相だった。

 少なくとも街のようなものは見えない。

こんな上空から見ても見当たらないとなると、もしかするとこの辺りに人は住んでいないのかもしれない。異世界なのでそもそも人がいるという保証もないのだけれども。


 幸い、自分の真下を見下ろして見れば、かなり広い草原のようだ。

 これなら少しぐらい風で流されても、木に刺さって着陸失敗とはならないと思う。




「うーん、人里が無いとなると食べ物をどうしたら良いのか…。餓死するまで放浪なんて嫌だな…」


 もしかすると前回の自由落下よりも酷い事になるかもしれない。

 帰ったら人里近くに転移するようにしろと、あのクソ女神に文句を言ってやらないと。

 そんなことを考えながら暫く降下をしていると、不意に何かが飛んでくるのが視界の端に映った。


「鳥かな?パラシュートに絡まったり穴を空けられでもして落ちたら、前回の二の舞なんだけど」


 そうは言ってもパラシュートを操縦なんて殆ど出来ないので、こちらにぶつかったりしない事を祈ることしか出来ない。

 祈っても祈り先があのクソ女神かと思うとげんなりするが。


 クソ女神に祈りが届くなんてことはなく、その鳥のようなものはこちらに真っ直ぐ向かってきた。

 ただ、それは鳥なんてサイズ感ではなく、近付いてくるにつれてその大きさが分かってきた。


「え!?デカ!?プテラノドン!?」


 そう、鳥なんて平和的なものでは無く、そこにいたのはプテラノドンだった。

 私の数倍はあるかというその体格は、まさに恐竜の呼ぶのにふさわしい威圧感だった。


 そんなプテラノドンだが平和に飛び去ってくれるなんてもことも無く、パラシュートに飛びかかるとすぐにパラシュートはボロボロになった。


「ですよねー!?」


 プテラノドンからしてパラシュートは敵に見えたのだろうか。

 穴を空けられてしまったパラシュートは役目を果たせるはずもなく、すぐに降下速度は上がっていくことになった。

 むしろパラシュートが風に煽られるせいできりもみ回転みたいになって、前回より酷い落下の仕方になっている。


「パラシュートで誤魔化すなんてだめじゃねーかー!!!!!!」


 私の叫びは誰に届くことも無く。ただ無常に落下していくのであった。

 毎日18時投稿で続けていきます。18時でいいのかよく分からないので、他の時間の方が良さそうとなったら変えるかもですが。

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