45話 山脈の向こう側
「いやー、どうすれば良かったのかなー…」
魔女箒の上でぐったりとしながら考える。今回の人里探し、もう少し上手くやる方法は無かっただろうかと。
「食料に出来そうなものとか探してもっと時間かけて探すべきだったかなぁ…」
結局食べられるものが分からなかったのと、上空を飛んでいる間はそういった可能性のあるものすら見付ける機会もないというのもあり、今回転移してから今まで何も食べずにいた。おかげで酷い空腹状態で、今にも倒れそうだった。
「あとは海岸沿いを探してみた方が良かったかもしれないかな…」
海を渡るのは無理だろうということで、今回は森、山を越えていく方向に探索したが、今思うとそういった内陸部を探していくより海岸沿いを探した方が良かったかもしれない。そうしたら港町とかがあったかもしれないし。
地理的にも海岸沿いの方が平地があったりして街を作りやすいみたいな話もあったような気がする。あとは水を確保できる川沿いに作るんだっけか。
色々と考えてみたが、改善案は出るものの、これをしてれば助かったというような案は思いつかなかった。まぁ、最初からほぼ詰んでいてどうしようもなかったのだろう。
そもそも、この反省が役立つ機会があるかは分からない。というかこんな遭難するような機会は来ないで欲しいが。
次回はそもそもこうならないように対策したり、色々と持ち込むものを増やしてみたりしたいところだ。どこまでできるかは帰ったら女神と相談してみよう。
「さて、そろそろ意識を保っているのも限界かな…」
そろそろ限界とばかりに瞼が重くなってきた。疲れ、空腹に加えて、昨晩地べたで寝たので睡眠の質が最悪だったのもあるだろう。出来ればマットレスなんかも持ち込めると良いのかもしれない。
「それじゃおやすみ…」
そう言い残して、私は意識を手放した。