43話 遭難2日目
水浴びを終えて服を着る。濡れたままなので服の機能が発揮しなくなるとかないかと心配したが、ちゃんと機能するようで寒さを感じなくなった。そればかりか、乾燥機能のようなものがあるようで、たちまち濡れていた身体が乾いた。
こればっかりは女神に感謝だ。今まで活用する場面が無かったのであまり気にしてなかったが、実はこの服結構なチートアイテムなのかもしれない。
「さて、出発するかな」
一息ついた所で魔女箒に跨る。今日はもう最初から上空に出て移動をする予定だ。
木々にぶつかる問題は、川の上なら木々の切れ目になっているのでそこから抜ければ大丈夫だろう。
森の上に出た際に、昨日より高いところまで飛んでみることにした。昨日と違ってまだ朝の明るい時間なので、より高いところから見れば遠くまで見渡すことが出来るはずだ。そう思い、かなり高いところまで飛んで見渡してみることにした。
「うーん、全然人里のようなものは見つからないなぁ…。」
雲の中に入らない程度の高さまで飛んだところで見渡してみたが、眼下に広がるのは森と山と海ぐらいで、人里のようなものは見当たらなかった。
もっとも、この高さでは小さな村や町程度では見つけられないというのはあるだろうが。それにしても森と山だらけで全然人里がありそうなスペース自体が全然無かった。
「とりあえず山を越えた先がどうなってるかだね…。山の裏にあるとかだと助かるんだけど…」
この辺り一帯は山が多く、開拓するのが難しそうだ。もし山の反対側が平地になっているのであれば、そちらの方が優先して開拓されていき、人里ができるというのも考えられない話では無いと思う。
そんな一縷の望みをかけて、山の反対側を目指して飛び続けるのであった。