34話 初めての着陸
「ひとまず降りよっかな」
いつまでも上空にいたままなのもどうかと思ったので、下に降りることにした。
手馴れた操作で魔女箒を操縦して下へ向かう。街中に降りると流石に悪目立ちすると思うので、城下町から少し離れた道沿いの辺りに向かう。
本気で誰にも見られないようにするのであれば遠く離れた山とか森にでも向かうべきだとは思うが、そんな所に着陸した日には人に遭遇する前に動物とかに襲われて死にそうな気がする。もし見られていたらその時はその時だ。
暫く降下した後に、遂に着陸する事に成功した。あの女神の実験に付き合い始めてからかなりの時間が経つが、遂に初めて生きて異世界の地に立つことが出来た。
「長かった…ここまでほんと…」
ようやく転移が成功した実感が湧いてきて、少し涙が出てきた。
着陸した後も気が抜けないと周囲の確認をしたが、道沿いなのもあってか周囲に危険そうな動物とかは見当たらず、いかにも平和そうな感じだ。強いて言えばかなり距離があるが、城下町の方に馬車のようなものの後ろ姿が見えるぐらいだ。
とりあえずこのままここにいても仕方がないので、城下町の方に歩いていく事にした。道沿いに歩いていけば門に着くようなので、そこから街に入れるはずだ。
そういえば世間ではエイプリルフールらしいですね。
自分にとってはなろう書いてることがエイプリルフールみたいなものです…。