33話 ファンタジックな世界
視界に広がる光が収まり、転移が完了した。案の定転移先は上空だったが、転移直後に落下するということは無く、魔女箒のおかげでその場に滞空したままでいられた。魔女箒はこの世界でも問題なく稼働するようだ。
「まずは安全確認しなきゃ」
そう言って周囲を見渡してみる。今回はプテラノドンや飛行機のような危なそうなものは飛んでいなかった。ひとまずすぐに墜落させられることは無さそうだと一安心して胸を撫で下ろす。
魔女箒という条件付きではあるが、今までのように転移直後に死ぬようなことが無さそうだし、もしかしたら初めて転移が成功したと言えるかもしれない。
「おー、まさにファンタジーって感じだねー」
一息ついたところで下の方を見下ろしてみると、いかにもファンタジーというような感じのお城と城下町が広がっていた。
城下町の外周は城壁で囲われていて、いかにも外からの守りに強そうといった感じだ。
城下町の周りはのどかな草原が広がっている。おそらく他の街にでも続いているのか、城下町を中心に放射線状に道が続いているようだった。道の先を遠くまで見てみると、集落のようなものがいくつかあったり、その先は海や森、山なんかに繋がっていた。結構自然豊かな感じだ。
なんというか栄え方がいかにもな中世ファンタジーという感じで、まさに小説に出てくるような異世界らしい異世界のようだ。少しテンションが上がってきた。