31話 転移続きの日々
ここの所女神のやる気があるのか、毎日のように転移を行う日々が続いていた。
もちろん上手くいくという事は全然無くて、毎回宇宙とかに送られて即帰還となっていた。
ちょっと前まで上空とか飛行機の上とか、もう少しまともな転移ができていたはずなのにどうしたのかと聞いてみたところ、転移先の世界を変えてみたとの事だった。
新しく転移先に設定した世界は地球で言うところの自転公転のような現象が殆ど起こっておらず、転移先の座標が安定しやすいはずとの事だった。それにしては毎回宇宙に飛ばされているので、全然安定していなさそうに思うが。
また、そこまで技術が発展しておらず、転移でいきなり現れても紛れ込みやすいはずとのことだった。
そんな日々が暫く続いた後に、ようやく宇宙ではなく上空に転移することに成功した。惜しいところまで来たと言ったら聞こえがいいが、私からしたらまた紐無しバンジーをやらされた訳だ。笑えない。
「いやー、ようやく惜しいところまで来ましたねー」
「まぁ、そうだね。おかげで私はまた落下させられたけど」
不機嫌な顔を隠さずに返すが、女神の方は悪びれずといった感じだ。
「それで次の転移なんですけど、この前あげた魔女箒で飛んだ状態で転移してもらっていいですかー?」
「この前のパラシュートの代わりに魔女箒でやればいいの?」
「ですねー」
なるほど、もしかしたらこの為に魔女箒をくれたのかもしれない。魔女箒であればパラシュートと違って空中で動けるので、この前のプテラノドンの襲撃のようなものからは逃げられる可能性がありそうだ。
それ以外にも、パラシュートは大きく広がるので降りてくる時に目立つが、魔女箒なら小さいので目立ちにくいのも良さそうだ。下手に目立ったが故にこの前のプテラノドンには見つかったのかもしれない。
まさかこれを1ヶ月も書き続けるとは思いませんでしたね…。もっと早く飽きるものかと。