22話 女神の箱庭
家から浮島の縁まで歩いてみた。縁までの距離は大体50m程だろうか。縁から振り返って見てみると、円形状の草原が広がっているように見えた。この浮島は大体半径50mほどの広さで、その中心に女神の家は建っているようだった。
縁から下を見下ろしてみると、海のような水が広がっていた。ただ、海の上に島はなく、どこまでも水面が広がっているようだった。
「なんか、幻想的というか不思議な世界だね」
私の元いた世界ではありえない光景は、どこか非現実的にも思えた。
世界が違うのだから理が違うと言えばそうなのだが、何故この島々が浮いているのか、あの海はどこまで続いているのかなど、疑問は絶えない。
ひとまず聞けば教えてくれるだろうと、女神にこの世界について聞いてみることにした。
「この浮いている島々はどうやって浮いてるの?」
「難しい質問ですねー、強いて言えば位置を固定されているから落ちようが無いみたいな感じですかねー」
「位置を固定?」
「そうですねー、あの位置にあるものとして作ったので、あの位置が地球の中心みたいなもので落ちようが無いんですー」
分かったような分からないようなだ。とりあえずここでは、地球ではありえない現象が当然のように起こっているようだ。しかもそれを女神が作り出していると。