21話 幻想的な世界
「それで、この家の外ってどうなってるの?今まで出たことが無いから気になってさ」
「そういえば見せたこと無かったですねー。ちょっと待ってくださいねー」
女神がそう言うと、急に近くの壁にドアが現れた。玄関のようなものがある訳ではないので、見た目は隣の部屋に繋がっていたりしそうだが、話の流れ的に外へのドアとして作られたのだろう。
「えーと、このドアから外に出ればいいの?」
「ですねー、見てもらった方が早いかとー」
女神のOKも出たのでドアを開けてみる。すると、その先には想像していなかったような光景が広がっていた。
「――――綺麗…」
外に広がっていたのは幻想的な光景。夕暮れのような色の空に、幾つもの小さな浮島が浮かんでいた。
浮島の上には花畑があったり、泉があったり、木々が生い茂っていたり。自然に彩られたものが多いようだが、いくつかはドームや小屋のような建物が建てられているものもある。私達が今いる場所もそんな浮島の1つの上で、草原の中に家が建てられているようだった。
「でしょー!」
横で女神が自慢げにふんぞり返っている。ただ、自慢したくなる気持ちも分かるぐらい、幻想的で綺麗な景色だった。