15話 安易に時を越えようとした結果
光が収まるとまたあの大自然の世界が目の前に広がる…と思っていたが、視線の先にあるのは見なれた天井だった。
「あれ?落下とかすらなくて、即死だった?」
こういうパターンの時は宇宙に転移したとか、地中に転移したとかで即死した時だ。体感としては光が消えたらいつの間にかベッドの中となっているので楽ではある。ただ、紐無しバンジーとかを身構えていたので、正直肩透かしだった。
「あ、起きましたー?」
私が目覚めた事に気付いた女神が状況を説明してくれた。
前回の転移先の時代から遠い未来に転移させようとした影響で、転移先の世界の星の位置が移動していたとの事だった。
「猫ちゃんのいた地球と同じで、動いてる星の上に広がっているタイプの世界でしたねー」
「確かに、宇宙規模で座標を指定しているのならそういう事もあるのかな…」
どうやらこの女神が転移の際に設定しているのは地球上のどこというようなものでは無く、宇宙とか世界全体のどこというような指定の仕方をしているようだった。
それであれば、地球のように星そのものが動く場合は飛んだ先の時間によって安全な座標が変わるので調整も難しそうだ。
「そんな感じだったので人のいる時代で星のある座標に飛べるように調整し直しますねー」
「あ、この前みたいに上空に出たらどうするの?」
「そうなったら後から転移先の高さ調整の方向でー」
どうやらまた紐なしバンジーは覚悟しないといけないようだった。