14話 大自然の世界への再挑戦
先日のパラシュート大失敗の回から暫くして。次の転移の為の調整がついに出来たとの事だった。
「転移先の時代を調整したから恐竜に襲われるということは多分ないと思いますし、ちゃんと人間がいる時代のはずですー」
「別に恐竜じゃなくても熊とかに襲われたら普通に死ぬけどね」
言っておいてあれだが、人間は普通にその辺の獣に襲われるだけで普通に死ぬので、転移の技術に関係無く死ぬ可能性も高いのではないだろうか。
よくある小説の異世界なんかは、獣どころや魔物や魔獣がいるような世界観な事が多いので、目が覚めたら草原だったみたいな始まり方でちゃんと人里まで行ける人達は、実はかなりの幸運なのかもしれない。そんな所で死んで終わりなんて物語が小説になんてなる訳がないといえばそうなのだが。
「そういう死に方したら熊ぐらい倒せるようなチート武器でも作ってみますかー?」
「それって安全に扱えるものなの?」
「能力を作るよりは安全かとー、なんならどこかの世界にあるものをコピーしてくるのでもいいかもしれないですー」
なるほど、チート能力よりチート武器の方が安全なのか。
いつかはそんなチート武器を貰いながら異世界転移出来るような日が来るのだろうか。聖剣貰って異世界転移なんて事が出来るなら、勇者みたいでロマンがあるかな。
そんなこんなしている間に、転移の準備ができたとの事だった。
「それじゃー、行ってらっしゃーい」
女神がそう言うと、私の視界は光に包まれた。
「あっ、パラシュートとかの落下対策してないじゃん」
転移の瞬間気付いてしまったが、もう間に合わなかった。
私はまた紐無しバンジーにならない事を祈りながら転移させられるのであった。
新章入りました。