13話 転移の合間の日常
転移から帰ってきてから次の転移を行うまでの合間の期間は、ここで2人で生活をしている。
転送の準備とやらは時間がかかるようで、大体速くても2、3日程は間が空き、時間がかかる時は1ヶ月かかることもあった。
何故か本棚に大量に並べられている異世界転生や転移を題材とした小説を読むのが私の日課だ。なんで本棚にそのようなジャンルのものばかりあるのか聞いてみたら、本人の趣味との事だった。
また、ここに並べられている本は全て私の世界で売られているものを持ってきたらしい。なるほど、それで見覚えのあるタイトルもあるわけだ。このジャンルを生み出したあなたの世界はすごいみたいに興奮して語られたが、私は他の世界の事は知らないので正直なんとも言えない。
この女神にとっては実際に異世界転移の実験をできるように、数多の世界を観測できるので同じような視点でものを考えるというのに親近感を覚えたようだった。
そんなことを話したりしながら小説を読んでダラダラと過ごす日々。食事は女神が私の世界のものをコピーしたとか言って用意してくれるし、家事すらしなくて良い。
そして私は気が付いてしまった。あれ?このままだと私ニートみたいになってない?
「ねークソ女神、もしかして今の私ってニートとかヒモとかそういう感じになってない?」
少々焦った気持ちで女神に聞いてみる。これで働けみたいに言われたら、少しは何かした方がいいかもしれない。
「まー転移の実験を手伝ってもらってるしいいんじゃないですかー?」
「たしかに、死ぬぐらい貢献してる」
それならいいやと思い、私は思考を放棄して読書に戻った。
次からまた転移再開します。