12話 長い長い実験の始まり
「ちなみに断った場合はどうなるの?」
「残念ですが無に還って貰うしかないですねー。元々あなたは元の世界で死んじゃってるのでー…」
予想はしていたが、やはりそうなるか。
本来は死んでそこまでというところを、実験台扱いとはいえこうして生かしてくれるだけでもありがたい話なのかもしれない。
「それで、手伝ってくれますかー?」
「うーーーん……。まぁ、面白そうだからいいか……。分かった、手伝うよ。これからよろしくね」
1万回殺されるという未来に思う所もあるが、私はこの異世界転移の実験台になることを受け入れた。
正直な話、女神の実験とか異世界とか、物語のような非日常的な世界に惹かれたのであった。
「わーいありがとうございますー!これからよろしくー!」
私の回答に女神は大喜びだ。女神っぽさなど全く無く、子供のように大はしゃぎしている。そんな様子を見て、子供の遊びに付き合ってあげるみたいだな、なんて思ったりした。
「そういえば聞いてなかったんですが、お名前なんて言うんですー?」
「黒川 猫美。あなたは?」
「私名前無かったですねー…。女神様って呼んでくださいー!」
「じゃあクソ女神って呼ぶね」
「ひどい!」
こうして、私とこのよく分からない女神の長い長い実験が始まったのであった。
世界観やら設定の解説章なのと、2人とも外に出たりすることも無いので台詞だけで展開していくしかなく、かなり書くのが大変でした…。
この後1話だけ番外編みたいな小話入れてからまたちゃんと転移やります。