11話 3択の未来
「1つ目はよくある異世界転移ですねー、こんな世界がいいって希望があれば、それに沿う世界に転移させてあげますー。勿論チートも出来る範囲であればあげますねー、そっちの方もまだまだ調整中ですがー…」
なるほど、どこぞの小説の主人公みたいになれる訳だ。異世界でチートを使って好き放題生きる、誰もが夢見る光景ではないか。
「ちなみにチートってどんなものが貰えるの?」
「とりあえず定番のアイテムボックスとか、勇者の剣なんかは作りたいですねー。まだやったことが無いのでどんな感じになるか分からないですがー」
勇者の剣はありそうでないような枠な気もするが。そして初めてだと転移のように大失敗となる気がするが、はたして大丈夫なのだろうか?
「あ、今度チート上手く作れるか試させて貰えますー?」
あ、これ死亡回数さらに増やされるやつだ。
「2つ目はずっと私とここで過ごし続けるですねー、多分ここにいれば寿命も無いですし永遠に一緒にいられますねー」
「寿命が無いって、死んでも蘇生され続けるってこと?」
「なんなら女神パワーで不老にもしてあげますよー。ヨボヨボのボロボロで生き続けるのも大変ですしねー」
なるほど、寿命が無くなると言うのは魅力的なのかもしれない。いや、死んでるから寿命も何もあったもんじゃないが…。
「異世界転移が完成したら、その後は転生とか他のことにも付き合ってくれていいんですよー」
こちらを選んだ場合も死亡回数が増えることになりそうだ…。
「そして3つ目ですけどー、無に還るですかねー…」
「無に還る?」
「本来人間は死んだらそこで終わりですし、改めてちゃんと終わるというかー」
「…なるほど」
確かに、選択肢としては考えておくべきことなのかもしれない。
「今すぐ決めなくてもいいので、異世界転移が完成したらまた考えましょー」
そのタイミングまで考えるのを後回しにしていたら忘れていそうだが…。