10話 始まりの転移
目を覚ます。見たことのある天井。ふかふかのベッド。横にはニコニコ顔のクソ女神。
「あ、起きた?」
起き上がると光に包まれる前と同じ光景、同じクソ女神。
「えっと、私異世界転移させられたんじゃなかったの?」
全然代わり映えのしない状況に困惑していると、クソ女神から状況を説明された。
「転移はしたんですけどすぐに帰ってきちゃいましたねー、転移先が宇宙だったみたいでー」
そう言いながらテレビを指差す。見ると宇宙のような写真が写っていて、地球のような星から少し離れた場所に矢印と一緒に「今回の転移場所」と書かれていた。
転移場所が上手くいかないってそのレベルでかよ。そりゃ即死だわ。お陰で主観的にはベッドに転移しただけのようで、確かに痛い思いとかはしなくて済んだけど。
確かにこれを繰り返すぐらいなら、なんとかなるのかもしれないなと考えていると、そんな考えを読んでかクソ女神が話を続ける。
「まーこんな感じで特に苦しい思いをすることも殆どないと思いますのでー協力して貰えますかー?タダとは言いませんのでー」
「タダじゃないって?何か貰えるの?」
「そうですねー、異世界転移が完成したら3つから選んでもらいますかー。」
仮にも女神を名乗って異世界に人を転移させることが出来る奴なのだから、それは凄いものが貰えるのかもしれない。1万回も殺されるのであればそれに見合う何かが欲しいところだ。