97話 長い1日の終わり
気がつけばもう100部分目です。
1部分が短いとはいえこんなことろまで読んでくれた方々には感謝です。
軽いノリで唐突に書き始めたのがまさかこんなに続くとは…。
「よし、それじゃ、帰ろうか」
男の子が寝入ったのを確認してから、私達は病院を後にした。
外に出るとちょうど日が登り始めた頃合いで、朝日が眩しかった。
「いつの間にかもう朝ですねー…」
「ですね…流石に眠いです…」
「もうぐったりだな…」
思えば長い1日だった。
朝に森で起きて熊さんと採集して、昼に街まで来てライラさんの部屋を掃除して、夕方から山に行って夜月草を探して、明け方に男の子に薬を届ける。
これ本当に1日で全部やったの?というぐらい密度の高い1日だった。もうへとへとだ。
「ギルドに寄って簡単に報告したらお店向かいますねー。今日はそっちに泊まりますー…」
そう言って受付さんはギルドの方に去っていった。
この後更に報告までしないといけないとは。お役所仕事は大変だ。
「ネコミちゃんも泊まっていく?」
「いいんですか?それなら是非泊まらせてください!この時間からじゃ宿も探せないですし…」
元々寝所を求めてここまでたどり着いた私にとって、これ以上ない提案だった。
これでやっと屋根の下で夜を明かせる…もう朝だけど…。
「あ、この街に家があるんじゃなくて宿暮らしだったんだ。それはこんな時間まで悪かったね」
「いや、宿に泊まった事は無いんですけどね…宿代すら持ち合わせてなかったので…」
「え…それじゃあ今までどうしてたのさ…」
「熊さんと一緒に山で寝泊まり?」
「…野生児かなにかだったの?」
文面だけだと完全に野生児だ。それもかなりガチなやつ。