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第一章・第五部・気合さえあれば何とかなるだよぉ!!

どうやっても真夜中に更新することになるんですよね。一時間遅れです今日は。

 王都『グエラ・ベル』、リキヴェア平原に山を作りその上に築かれた高低差のある町並みは三段に分かれ王城である『フォートラスト城』は一番高い三段目に位置している。

 二段目は上流区、一段目は中下流区となり、一段目を囲うようにして二重の防壁と自然の川を利用した三重の堀が築かれ守りを堅牢なものとしていた。

 都には地下水を利用した水道が引かれており、近隣諸国でも水の豊富な都としても有名である。各地から人が集まり物流も豊富で商業でも、軍備でも、行政でも、全ての面においてレイフィードの中心の地であるといえる。

 とまあこれがシェルディアから聞いた王都の予備知識だ。

 そして現在向かい合っている跳ね橋が下ろされた巨大な門は東西南北四つの門の中でも城の正面に位置し正式な正門でもある南門だ。

 そのまま真っ直ぐ行けば城に着くように思われるのだが戦火の激しい頃に築かれた街らしく素直に行っても城にはたどり着けない様になっているらしい。平和な世においてはただ城に行きにくいだけであまり役に立ってるとは言えないらしいのだが。

 「すっかり日も暮れたな。」

 広い平原の先に広がる地平線、沈み行く赤い太陽を眺めながら望郷の念に浸っての言葉ではなく今日学校を生まれて初めてサボったことへの後悔を思ってだ。

 もう高校も終わる頃だろう。俺の皆勤賞が……

 「いよいよこの先の二つの門をくぐると王都ですよ。」

 今までは例え地球が危機に晒されていたとしていても、必ず学校への登校はどんなことが起ころうと間に合わせて来たのに。登校中に立ち塞がったどんな敵にも勝利して来たというのに。こんなことで、こんなことで俺の十二年と八ヶ月とちょっとに及ぶ無遅刻無欠席記録が破られていいというのかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!

 と言う具合に俺は現在言うまでも無く落ち込んでいる。

 今までは理解不能な事態で冷静に頭が働かなかったのだが、冷静になった今なら分かる。俺は今日学校をさぼったんだ。

 徒歩一時間の道を法律無視上等で五分で走ったあの日がまだ記憶に新しい。

 登校を妨げる敵の中で最強は有神家の犬か交通法だと思っていたのに、伏兵は意外な所にいたのだ。いや案外意外でもなかったかもしれない。ともかく俺は秋坂にぶつかられてここにいる。

 異世界に来た最大の原因は秋坂 光輝なのだ。

 ラスボスが身内にいたとは、そしてまさか敗れる羽目になるとは予想だにしていなかった。

 登校中においては無敵そんな思いは幻想のものだったのか。

 嗚呼、無常。我が人生に意味など無かったか……

 「ソウスケどうしたんでしょう?さっきから視線が動いてません。心なしか瞳に生気が宿って無いように見えるんですけど。」

 「そっとしておいてやれ。宗助は皆勤賞に命を懸けていたからな。」

 という具合に時間が過ぎてようやく俺達は入城した。こんな巨大な建造物見たこと無いな。高層ビルよりでかいって事は無いんだろうが、威圧感を感じる。その所為だろう。

 ようやく俺は馬車から降りることができ俺はなんとなく伸びをする。

 「私は父上に会わなければならないので侍女の方に客間に案内するように言っておきます。その後、恐らく謁見の間に呼ばれると思いますが今日は遅いので明日になるかもしれません。」

 「やっぱり、王様とは会わないといけないか。」

 「やっぱり、城って塔が何本も付いてるもんなんだな。」

 荘厳たる風格の城も秋坂から見れば塔がいっぱい付いてる建物か、俺が言うのもなんだが秋坂の美的センスはどこかおかしい気がする。

 その後、俺達はメイド服っぽいモノを着た女の人に(まあ男が着てたら逃げたくなっただろうが)案内された部屋でくつろいでいた。

 「今日一日は長かったな。」

 「なんたって六話も、じゃなくて新しいことばっかだったし。」

 「それもそうだよな。」

 本当は一人一部屋用意されていたのだが秋坂がつまらんとかいってこっちに来ているのだ。 

 俺は赤いソファの上で寝ていたがたたき起こされた。

 「なあ、魔法ってどうやって使うのかな。」

 「少しは我慢できないのか、馬車の中でもそればっか言ってたよな。」

 シェルディアはアークベアを相手にして魔力を切らしてたため明日ぐらいにその道の人に頼んでくれるという話だったじゃないか。

 「明日まで待てねえ。しょうがない、やってみるか。」

 「やめとけ。下手して城、壊したらどうするんだ。」

 こいつなら教えられなくても一人でやりそうだ。

 「気と同じように集中させて魔力集めればいいかな。」

 人の話を聞けよ!

 「だからやめとけって。」

 「大丈夫だ肉体強化しかしない。気と混ぜてみるか、それでそのままフォームチェンジとっ!」

 秋坂は俺はもう見慣れた赤い火炎に包まれた状態になった。正義のヒーロは変身する。これが秋坂の師匠が教えてくれた正義の味方本気モードらしい。

 この状態の秋坂には一秒で負ける自信がある。それほどこの姿になると秋坂の基礎戦闘値は跳ね上がる。

 「すげえぞ、これなら今までの十倍凄いことができそうだ。」

 確かに何時もより炎がでかいな。

 「雷装らいそう鬱塁白虚うつるいはっこ!」

 その言葉と共に秋坂を纏う紅炎が白電へと姿を変えた。

 「他にも水とか土とかもいけるかな?」

 「何でいきなり使いこなしてんだよ!」

 こいつ非常識すぎるだろ。友情・努力・勝利が熱いマンガの基本なのに努力ねえだろ!

 「お前もやろうと思えばできるんじゃね。」

 「簡単に言うが、俺はまだ魔力自体つかめてないんだが。」

 「気と同じだ。簡単だって。」

 俺もかつてはそう言う物を意識したことがある。なんだろうか力を体の中心のほうに集めると剣技が格段に冴えて来るんだよな。

 あれと同じように中心に力を集めて放つイメージ。

 「吹き飛ばせ。」

 適当に言ってみると本当に風が吹き荒れた。

 「マジでか。」

 「何で俺を狙ったんだ!」

 顕現した見えざる奔流は秋坂へと襲い掛かり白雷の鎧を吹き飛ばして消えた。

 っち、秋坂は無傷か。皆勤賞のことを恨んでいない訳ではない。

 「俺の魔力と気を吹き飛ばしたみたいだな。」

 「そのようだ。」

 まさか本当に出るとはな。

 「さて、やることも無くなったし探検でもしようぜ。」

 いや冒険しようぜ見たいなノリで言われても。

 「いや普通におとなしくしとくべきだろ。問題起こしたらことだぞ。」

 「いいから行こうぜ。」

 秋坂は俺の後ろに回りこむと肩を掴んだ。そしてそのまま押してくる。

 「この馬鹿力が!やめろって。」

 「その程度の抵抗で俺が折れるか!」

 そのまま部屋の外に連れ出される。絶対いつか復讐してやる。そう俺は心に誓った。

 「さてどっち行く。」

 「右。じゃ無くて俺は反対しただろって聞いてないし。待て、走るなよ。迷子になるだろうがぁぁぁぁあ!」 

 ほっとく訳にもいかず秋坂の背中を追っていくといつの間にか知らない場所にいた。あれ、どうしよう?

 「それでここは何処だろうな?」

 「俺が聞きたいよ、馬鹿!」

 さっきから同じような道を何度も行ったり来たりしている気がする。

 日も暮れてきて辺りは薄暗い、人の気配も無い。

 「君達は何者なのかな?」

 驚いて振り返ると黒いローブを纏った女の子がいた。この人に聞けば帰り道が分かるかも。

 「道に迷ってしまって、道を聞いてもいいですか?」

 「おかしな侵入者だね。迷子になった上に道を聞くなんてさ。」

 あれ、侵入者?誰のことだろうな。辺りは真っ暗うえ人気が無い、学生服(真っ黒)着た俺達その上見ない顔である。侵入者に間違われても仕方が無いのか、もしかして。

 「魔力を全く隠さないで侵入なんて全くなめてくれたものだね。その魔力は魔族だろう?人間なめてると痛い目を見るよ!ライジングバースト!」

 「ふ、吹き飛ばせ!」

 光の奔流が俺達に襲い掛かってくるのを見て俺は反射的に魔法を使ってかき消した。

 「ディスペルの一種?やるね、でも今度はそうはいかないかもよ。トライアングルディストラクション!」

 「フォームチェンジ、全装全冠ぜんそうぜんかん纏劉無双てんりゅうむそう!」

 瞬時に城の一部を破壊して迫ってきた衝撃波を秋坂は変身状態で受け止めていた。

 「ここは俺に任せろ!そろそろ見せ場がほしいしな。」

 「さっきから思ってたんだが技名は咄嗟に考えてるのか?」

 何故かあいつの技の中でフォームチェンジだけカタカナなんだよな。技を叫ぶのは何か知らんが決まりだそうだ。

 「まさか無属性の最上級魔法を受け止めるなんてね。久々に本気を出せそうだね。僕は第三魔道兵師団師団長アリア・ルーメイ、全力で行かせてもらうよ!」

 「名乗られては名乗らないわけにはいかないな。俺の名前は秋坂 光輝、俺も全力で行くぜ!」 

 全力はやめろよ、城崩れるから。

 「これが僕の最高だよ。バネティーアーカイブ!」

 進行方向にあるもの全てを音も無く消し去りながら無色透明の膜が広がってくる。一種のホラーだ。

 「黒封陣こくふうじん全色喰ぜんしょくぐらいイ」

 突如秋坂の前に闇が出現し魔法を喰らい尽くした。秋坂、お前本当に今日まで魔法使ったことが無かったのか?

 「あの技を受け止めるなんてね。どうやら僕は君に勝つことはできなそうだね。でも精一杯足止めさせてもらうよ。」

 話を聞いてほしいな。

 「いいや、もう決着は付いてる。俺の技はまだ終わっていない。」

 アリアの技を喰らって闇は急速に膨張しアリアを飲み込んだ。あれ大丈夫なのか?

 「おい、秋坂!」

 「大丈夫だって。ほら、」

 その言葉と共に闇は薄まって消えた。アリアは無事なようだった。

 「この技は魔力を食うんだね。いいよ、魔族。殺しなよ。」

 殺すなんてそんな物騒な。

 「いや殺さないから、道が聞きたいだけで。」

 「死んでも魔族なんかに言うもんか!」

 「いや、俺達魔族じゃないし。」

 「その魔力で魔族じゃないわけない。」

 秋坂苦労してんな。

 「部屋にいないと思ったら、ソウスケ、アキザカそれにアリアまで何しているんですか!」

 シェルディアが来た。しかも機嫌が悪そうである。だから部屋で待とうと言ったのに。

 「シェルディアちゃん、いい所に来てくれた。こいつに説明してやってくれ。」

 「あれ、シェルディア様何でこいつ等の名を?」

 「先ずは私にいったい何がどうなったか説明してくれませんか?」

 俺は一通りの事と顛末をシェルディアに教え、シェルディアにアリアの誤解を解いて貰い、秋坂は魔法で城の損壊した部分を直した。何気にもう魔法を使いこなしてるし。

 「私は今怒っています。二人を呼びに言ったら勝手にいなくなっていて、しばらくしたら破壊音が聞こえてくるし、ものすごく心配したんです。」

 「ごめんなさい。」と声をそろえて謝りました。だって目が怖い。何か闇が見えたよ。

 「アリアもですよ。一人で先走っていきなり魔法攻撃で殲滅しようとするなんてそれでも師団長ですか!」

 「ごめんなさい。」とアリアも謝っている。

 「えっと、所で何のようだったんだ?」

 ちょっと話題をそらしてみる。

 「ああっ、そうでした。こんなことをしている場合じゃないです。父上が二人を呼んでいますので早く来てください。」

 話題そらすの成功。でもこういうのは下っ端に頼めばいいんじゃないか、何故姫自ら?

 「さあ、いよいよ王様と会うことになった俺達だがこの先どのような困難が待ち受けているのだろう?しかしどのような困難が待ち受けていたとしてもこの俺が打ち破る!」

 途中から台詞にするんじゃねえ。



 

 いきなりですが、更新スピードを少し落とします。じゃないと私死んでしまいます。今日睡眠不足で歩きながら寝てて危うく階段から転げ落ちそうでした。永久に更新できなくなるより、少し更新スピード落としたほうがいいよね。

 具体的には何日落とすと決めていませんが、そろそろ王都にも来たし頃合かなと考えていたので。

 それとなんか今回はえらい名前を考えました。魔法は英語使ったんですがどうでしょう?


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