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第一章・第一部・やっぱりご都合主義ファンタジー世界か

テンプレ的な展開は速めに終わらせようと思うので、若干更新スピードはやめです。




 駆けつけてみたのは良いものの。確かにいたよ十四、五歳ぐらいの少女が、森の熊さん十匹ぐらいに囲まれてたがな……無理じゃね。

 「よし、秋坂ここは落ち着いて考えろ。とりあえずここはどうにかして森の熊さん達の気を引く、そのうちに何とか少女を連れて逃げる。この作戦で行こう。」

 そもそもなんで熊が群れているんだろうか?

 「かっこ悪いじゃんかそんなの。ここは真正面から勝負を挑もうじゃないか!!」

 分かっていたさ、こいつがこんな奴だって事はな。

 「じゃあ行こうぜ!!!」

 「ちょ、待て飛び出すにしてもタイミングが」

 あ~あ。仕方が無い。まあ、何とかなるかあいつ異常だし。というわけで俺も飛び出す。

 女の子を庇うようにして俺達二人は立つと秋坂は叫んだ。

 「正義の味方参上!!!!」

 一瞬空気が止まった。

 おい、そんな恥ずかしい台詞普通いうか?森の熊さん達もなんかたじろいでるし、頼むせめて少女には言葉は通じていないでくれ、でもそうなると後々大変だよな。でもこいつと同類に思われるとか絶対いやだ。

 「覚悟しろ。先制攻撃だ。」

 俺の悩みを無視して秋坂は攻撃宣言をした。

 そして秋坂は一歩前に出ると腰を落とし両腕を脇に構えた。

 ちょっと待てこの構えはもしや……

 「廻奉閃風脚かいほうせんぷうきゃく!!!!!」

 この状況で全範囲攻撃だと!まずい俺も少女も攻撃範囲内じゃないか。

 「くっ、間に合え。」

 なりふり構っていられる暇は無い。

 「きゃっ」 

 俺は咄嗟に少女に跳びかかるようにして押し倒し、地面にうつ伏せになるように身を屈めた。

 秋坂を中心として発生した旋風は森の熊さん達を切りつけてなお勢いは弱まらず辺りの大木までなぎ倒して円形の広場を作った。

 「終わったか。」

 しかし俺はそこで重大なことを思い出した。少女に抱きつくようにして倒れこんだため今非常に密着した状態にある、女の子と。

 自分はここまで瞬発力が高かったのかと思うようなすごい勢いで俺は飛び退いた。そしてとりあえず今自分にできることを百通りぐらい思い浮かべてから素直に謝ることを選択した。

 「本当にすまん。悪気は無かったんだ。」

 親にもこんなに真剣に誤ったことは無いぞ。

 「え、ええええっと。あの、助けていただいたわけですから。べ、別に気にしていませんよ。あの、えっと。と、とにかく大丈夫です。」

 真っ赤な顔で慌ててる金髪美少女は全く大丈夫じゃなさそうに言ってくれた。

 所でこれから何すればいいんだ?こういう事態には慣れていないので次の言葉が思い浮かばない。二の句がつげないとはこういうことだったのか。先生ようやく理解できました。

 そこに関しては向こうの同じようで、服の裾をもじもじといじりながら無言でこちらの顔を何度もちら見してくれた。

 気まずい沈黙の中頭真っ白というのはどうにも耐え切れなかったので、とりあえず落ち着いてみることにした。

 慌ててて良く分からなかったが改めてみると目の前の少女は美少女だった。あほみたいな思考だなこれじゃ。

 今はほんのり紅く染まっているが雪のように真っ白な肌や肩まで伸ばした手入れのいいブロンドの髪に碧眼であることも相まって本当に可愛らしい人形のようだった。今更ながらここがファンタジーの世界だと実感する。ていうかどこでファンタジー感じてんだよ俺!

 「あの、これはあなたがやったんでしょうか?」

 危ないあのままだったら羞恥で頭が爆発するところだぜ。っと、これとは恐らく血まみれの森の熊さんの死体となぎ倒された木のことだよな。

 「ああ、それは……ふむ、ちょっと待っててくれ。」

 「え、あの。」

 俺は唐突にやるべきことを思い出した。さっきから何故介入するのをやめて傍観にまわっている秋坂を視界に捉える。距離十メートル、いつの間にそんなに離れた。まあいい。

 「周りを考えて攻撃しろやぁあああああああ!!」

 俺は一瞬で間合いを詰めると四歩の助走の後、飛び上がり秋坂に向かって蹴りを放った。秋坂の胸部を俺の蹴りが抉る。

 秋坂は綺麗な放物線を描き五メートルほど向こう地面に墜落した。

 「これでよし。」

 俺は少女の元に戻る。

 「あのさっきの方は大丈夫なんでしょうか?」

 「ああ、あいつはあれぐらいしないと懲りないからな。それとこの規格外な破壊を行ったのはあいつだ。」

 「っえ、そうなんですか。という事はこれをやった人を倒したあなたはそれよりもっと強いって事ですよね!!」

 何、興奮してるんだろう。

 「いや、そん」

 そこで言葉をさえぎられた。

 「謙遜なさらなくていいですよ。アークベア十頭相手に一人で闘って勝つなんて並みの人にはできません。その人を倒すなんてあなたは相当に名の通った戦士さんなんですね。」

 いや、きっらきっらした笑顔で言われても。確かにあいつと戦って負けることはないだろうが勝つこともないと思う。第一俺は素手であの熊は倒せない。

 「グルアアアアアア!!」

 突然森の熊さんが復活した。

 な、傷が浅かったか。ていうか周りの奴よりでかい。角三本あるし。

 「ア、アークリーダーです。はじめて見ました。」

 とにかく落ち着け。なんにしろ深手を負っているのは確か、時間を稼いであいつが起きるか出血で死ぬかを待てばいい。でも手負いの獣って凶暴なんだっけ。木の枝拾ってみたけど明らかに強度不足だよ。

 「とりあえず、攻撃に巻き込まれないように下がっていてくれ。」

 「はい!」

 熊と向き合う。熊のほうもこっちに意識が言っているみたいだ。つまり獲物認定されたって事だな。

熊は片手を振り上げて引っかいてきた。図体の割りにかなり早いが、最初に出てきた奴と動きは変わりなし。まさか木の枝で受け止めるわけにもいかにないので横に跳んでかわす。

 「おっと。振動か」

 地面抉れてやがる。振動がおきるとかパワーが桁違いだな。だが隙も大きい。

 「はああああ!」

 気合と共に突きを傷口に抉りこんだのだが、如何せん木の枝じゃあ強度が足りない。途中でぽっきり折れてしまった。

 「グルラアアアア!!」

 怒ったか。

 右から左からさっきの倍以上のスピードで引っかいて来る。動くたびに大量の血が滲み出しているのだが一向に倒れる気配がない。

 もう一発何かすれば倒れるか?それからどうでもいいが角は何のためについてるのだろう、爪しか使ってなくね?

 足で石を蹴って熊の顔にぶつける。

 「グル!」

 一瞬動きが止まった隙に頭までは届きそうにないので胸部に蹴りを叩き込んだ。これでかなり内蔵にダメージが行ったはずだ。

 熊は一瞬踏みとどまったように見えたが大量の血を流し限界が来ていたのだろう。倒れこんでしまった。

 「勝った。」

 地味な勝利だ。秋坂が見たら怒りそうだな。戦いは派手にやるもんだとかいって。

 「すごいです!」

 振り返ると例の少女が拍手を送ってくれていた。そういえばまだお互いに名前も知らなかった。

 「こうして、彼らは今後の物語で重要な人物となる少女と邂逅を果たしたのだった。続く」

 秋坂は這ってくるとメッセージを伝え再び倒れた。

 「だからなんでお前はナレーションしてんの?」




 

最強な奴の戦闘ってろくな戦闘描写ができないことに気がつきました。

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