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サポーター。応援する

 デュラハンを攻め立てるユーリさんを見て、僕はガッツポーズする。


「いいぞー!行けーっ!ユーリさぁぁん!!!」


 まだまだ戦闘は始まったばかり。


 ユーリさんの猛攻は紙一重で凌がれている。だからまだ一撃を入れただけかも知れないけれど、あのダイヤモンド・デュラハンとしっかり渡りあえている。


 僕が試験直前に伝えたデュラハン相手の立ち回りもちゃんと意識してくれているのが分かる。


 焦らず、確実に。


 デュラハンを倒す方法は主に2つ。そのデュラハンの身体に肉体の限界を超えるダメージを与えること。


 もしくは、あのデュラハンの首を破壊すること。


 デュラハンの首は魔法発動のエネルギー源。確かにそれは厄介で強力なのは否めない。だが同時に決定的な弱点でもある。


 デュラハンの身体を動かす霊体エネルギーはあの首だ。それを破壊すればデュラハンは死ぬ。


 首1つに狙いを定めて攻撃を続けるか。はたまたその身体に着実にダメージを重ねて堅実に倒しに行くか。重要なのは、その駆け引き。


 下手に首狙いで攻撃を続ければデュラハンだってそれを分かって立ち回ってくる。逆に首を捨てて真っ向から戦えば勝ち目は薄くなる。


 そのバランス。首を狙いつつもそれに拘らずに一撃一撃をしっかり叩き込んでいく。立ち回りで勝敗が分かれると言っても過言じゃない。


 ユーリさんとデュラハンは互いの剣をぶつけ合いながら激しい斬り合いを仕掛けている。


 弱点であるデュラハンの左を狙いつつ、魔法とスキルを駆使して攻撃を回避。その身に一撃一撃を着実に積み重ねていく。


 超高レベルな戦闘。


 これは、きっと僕が踏み込めない領域。勇者と呼ばれる者がたどり着く境地。


 きっと、ユーリさんの実力ならここにいる勇者の人達と肩を並べられる。


 僕には決して届かない世界。


「…………っ」


 馬鹿、何を考えてる。


 それでも僕はユーリさんのサポーターだろ!?せめて応援だけでも!僕ができることをしろよ。


 そう思って、再び声を上げようとした時。ふと周りが静まり返っていることに気がついた。


 さっきまで、アーサーさんやレイラさんがやいやい言い合いをしていたはずなのに。


 そんなことを思って振り返ってみると、そこには何故か真顔でユーリさんの戦いを見つめる勇者の方々の姿があった。


「のう、マイン」


「は、はい」


 普段のふざけた様子などなく、真面目な顔でアーサーさんが問う。


「ユーリの使うあの技……何や?」


「あの技……?」


 デュラハンと斬り結ぶユーリさん。デュラハンの速い剣を弾き、生まれた隙にユーリさんが炎を纏う得意の一撃を放つ。


「【紅天撃】ですか?あれはユーリさんの得意技で」


「ふざけた名前つけてんちゃうぞ。ほんまの技の名前を教えんかい」


 アーサーさんがギラリと僕を睨みつける。僕は蛇に睨まれたネズミのように固まってしまった。


「もう1回だけ聞くぞ。ほんまの技の名前は?」


「ほ、本当の名前って言われても……だってあの技は【紅天撃】ですし……」


「…………そうか」


 僕の反応を見て、アーサーさんは再びユーリさんの戦いに目を戻す。


 勇者と呼ばれるアーサーさんがここまで言うのだ。一体、何だと言うのだろう。何か不味いことでもあるのか。


 よく分からないけれど、今は試合だ。


 僕もよく分からないことは置いておいてユーリさんの応援に戻った。

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