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女剣士。悶絶する

 全ての勇者候補達が席につき、いよいよその時が来る。心なしか空席がいくらか目立つ気がするけど、きっとあれはマインの言う通り潰し合いでもあったんだろう。


 試験監督のおじさんが難しい事を言ってるけど、多分あれはカンニングするなとかそんな話。そんな気は毛頭ないから私達はただ全力で試験に取り組むだけ。


 確かに、私はそんなに知識はないかもしれないけどこまでたくさんのモンスターと戦ってきた。きっと私の経験もマインの役に立てるはず。


 2人で一緒に勇者になるために、頑張らないと!


 そう心に誓いながら、ついにその時がきた。


 試験開始の鐘が鳴る。破れそうな程に強く紙を握りしめた私は勢いよく試験の用紙を裏返す。



 さぁ!どこからでもかかってきなさい!!



 そう意気込んだ私の決意は……。


「……………………………………!?!?!?」


 ボンッ


 一瞬でショートした。


 何……これ?


 最初に勇者になったのはゼム。では6番目に、勇者になったのは……?


 クリスタル・バイオレット・ワイバーンの固有ドロップアイテム!?待って、そんなモンスターの名前知らない!?


 ロッキンガム宮殿の最高聖女に支えし5人の聖職者。その名前を答えよ!?ロッキンガム?どこ!?


 読めば読むほど、私の頭はショートする。


 聞いた事のないモンスター。地名。役職。アイテム。スキル……ダメだ。こんなの分かるはずがない。


 ほ、他のみんなは……?


 見渡すと他の冒険者達もまた、頭を抱えて唸っているのが見える。


 嘘……。これだけの数の勇者候補がいて……みんな苦戦してる!?


 こんな難易度の試験……いくらマインでも……。



 


 カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ……



 


「…………へ?」




「ふ、ふへへ……分かる……分かるぞ……!僕には全てわかる……!!」


 そこには目を真っ赤にしながら狂ったように筆ペンを動かすマインの姿があった。


ーーーーーーー


 僕はただひたすらに筆ペンを動かし続ける。


 分かる……分かる!思い出せ僕のこの7年の軌跡を……!そのために磨いてきた知識と経験を!!


 クリスタル・バイオレット・ワイバーン。それはクリスタル・ワイバーンの亜種!他のワイバーンとは違って紫色に身を染めた伝説のクリスタル・ワイバーン。


 その身から落ちるクリスタルは【バイオレット・ハート】。最高純度を持つクリスタルの結晶だ!


 ロッキンガムの最高聖女ダイアナの5人弟子!僕はあの人達に会ったことがある!ファイ、エメルダ、マリン、パール、ルビー。特にファイさんにはすごいお世話になったっけ。


 僕のシデンを支えた経験が、奇しくもシデンを潰すための一歩を着実に埋めていく。


 大丈夫。分からない問題などない。この僕を止められる(問題)などどこにもない!


 こうして僕は試験時間半分以上の時間を残して学力試験を終えた。

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