サポーター。学力試験会場へ
試験のベルが鳴り、僕とユーリさんは席につく。
他の冒険者達も我先にと席についていくが、そんな中で一際目立つ金色の髪、シデンの姿があった。
何故か、隣のミーアやレックスまでもがまるで僕を目の敵のように睨みつけて来るではないか。
「……?またあの3人に何かされたの?」
「…………いや、どうせアーサーさんのせいです」
あのアーサーさんのことだ。シデン達に何か良からぬことを吹聴したのだろう。
僕があの人を心から信用できない理由がまさにそれ。
僕は安定だとか平穏だとかを望む。けれどアーサーさんはスリルだとか非日常を楽しむタイプの人。
だから、結構相容れない性格をしている。
でも、一度だけパーティを組んだ時には意外なほど相性が良くてすごくいいクエストをこなせたこともあったり。
だから嫌いじゃないし、それ相応に好意的に見ているけれどどこかで胡散臭い……そんな感じに思っている。
「……ねぇ」
すると、ユーリさんがこそこそと僕に耳打ちする。
「あまり……離れないでね」
「え?」
「そ、その……さっきは助けてもらっちゃったけど。私もマインのこと助けたいから。あの3人がマインに悪いことしないように、ずっと一緒にいよう。絶対にマインに傷1つつけさせやしないから」
「ユーリさん……」
ユーリさんは人の悪意だとか、騙し合いだとか。そんなものに非常に弱い。だから僕がその辺はサポートする。
けれど、いざ実際に戦闘になった時には僕の力なんて微々たるもの。
シデン達に闇討ちされるようなことがあれば、僕は一瞬でお陀仏。だからユーリさんのこの言葉は僕の心の支えになった。
「ありがとうございます。必ず……勝ちましょうね」
「うん。私もどこまで手伝えるか分からないけど、学力試験で協力できることがあればするからね」
そう言ってユーリさんが笑ってくれる。それだけで僕は何でもできるような気がした。




