女剣士。???
「はいぃ!?そんでマインを1人残して帰ってきたってのかい!?」
「…………………………うん」
マインから逃げ出した私はレベッカのお店のカウンターに突っ伏してお酒を飲んでいた。
普段、あまりお酒を飲むようなことはしないけど……今ばかりは何かしていないと落ち着かない。
ふわふわするこの気持ちは、お酒でも飲まないと抑えられないと思った。
「ま、マインは私に今度は何をしたの?」
「何したって……あんた……」
お酒で少しクラクラする頭でレベッカに疑問をぶつける。
「だって……おかしいの!マインの顔を見るだけで顔が熱くなるし……心臓がバクバクって早くなるし!離れたら離れたで今度は……こう……胸が、キュッて……キュッてなるの!」
ジョッキをドンとカウンターにぶつけながら私はレベッカに言う。
「私……病気かもしれない……どうしよう……!」
「……あんた、それ本気で言ってんのかい?」
「本気に決まってるでしょ!?」
「あぁ……重症だねこりゃあ」
何故かガックリと肩を落としているレベッカ。
どうしよう。こんなこと今まで一度もなかった。何か重大な病気にかかってしまったのかも知れない。
「ねぇ……レベッカなら何か知ってるんでしょ!?教えてよ!」
「うーん……そうだねぇ……」
レベッカはアゴに手を当てて考え込むような仕草をしている。
この反応、間違いない。レベッカは何か知ってるはず……。
「まぁ……おおよそ検討はついたけど。まさかあんたが……ねぇ?」
「何?何なの!?」
私の目と鼻の先でジーッと私を見つめるレベッカ。
「……ま、それは教えらんないね」
「どーして!?」
思わず私はガタンと立ち上がっていた。
「いつも、困った時には教えてくれたじゃない!なんで今日は教えてくれないの!?」
「……そいつはね、ユーリ」
そんなあたふたする私の頭を撫でながらレベッカは何だかとても優しく言う。
「あんたが……自分で気がつかなきゃなんないのさ」
「自分で……気がつく?」
「そ」
「どうして?」
「とても大切なことだからさ」
レベッカはいつものタバコを取り出して火をつける。
「ま、あんたがそれに気がつく時には分かるさ」
「分かるって……それまでに死んじゃったらどうするの!?心臓が苦しいの!」
「あっはっは」
「笑い事じゃないっ!!」
私は必死に訴えるけど、レベッカはずっとこんな調子で何も教えてくれようとはしてくれない。
まさか、マイン本人に聞くわけにもいかないから……八方塞がりじゃない!
「レベッカのバカ!もう知らないっ!」
仕方なく顔を伏せて反抗の意思を示してみたが、虚しくなるだけだった。
「……はぁ」
冷たいカウンターにデコをつけながら、小さくため息をひとつ。
「……マイン、何してるんだろ」
目の前にしたら胸が苦しくなるのに、気がついたらそんな一言が溢れていた。




