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サポーター。喧嘩を終えて

 瞬く間に薙ぎ倒された3人を見下ろしながらユーリさんは投げた大剣を拾う。


「ゲホォッ……こ…の……!化け物め……!」


 胃の内容物をぶちまけながらシデンはそんな悔し紛れの言葉を漏らす。


「私、強かった?」


 そんなシデンを見下しながらユーリさんはそんなことを言った。


 ユーリさんが自分の強さを誇示するなんて……珍しいと僕は思った。


「み…とめたくねぇ……。だが……強え……」


 仮にもシデンは強者だ。ユーリさんと手を合わせたら敵う相手じゃないと分かったのだろう。


 それを確認するようにユーリさんはまた言葉を続ける。


「私のこと、すごいと思った?」


「んだよ……自慢してぇのかよ……」


 そう言いながらもシデンはユーリさんの言葉を否定しなかった。


「悔しいが……てめぇは強え……。だからこそわからねぇ。そんな雑魚……お前みてぇな強えやつに釣り合ってねぇだろうが……一体何故……」


「……逆」


 すると、ユーリさんは僕の手を握る。



「私なんかより……マインの方が何倍も、何十倍もすごい」



「……あ?」


「え……?」


 ユーリさんの言葉にシデンだけじゃなく、僕も驚きの声をあげてしまった。


 僕が……すごい……?


「確かに釣り合ってないよ。マインの方が、私なんかよりもずっとずっと凄いから。だから私の方が頑張ってる。あなた達が敵わなかった私よりも、マインは強い」


「ふ、ふざけんな……!そんなバカな話があってたまるか!!」


 シデンは吐き捨てるように叫ぶ。


「そんな雑魚……どこにでも転がってんだろうが!ふざけたこと抜かすな!!」


「マインがいたらね?私はなにも悩むことなく戦いに集中できるの」


 怒鳴り散らすシデンに向けて、ユーリさんは誇るように言った。


「私が、こうしたいって言ったら……ううん、言う前からマインは動いてくれる。私の意図を完全に理解して支えてくれる」


「ん……なもん……当たり前の事だろうが!こいつはただのサポーター!それしかすることがないんだから……」



「私にとって、そんなことは当たり前じゃなかった。誰も私についてきてくれない……ついてくることができなかった。でもマインは違った」



 ユーリさんが僕の手を握る力が強くなる。


「あなたは分かってない。マインの凄さを。あなた達なんかマインの足元にも及ばない。いい?」


 ギュッと、力強く僕の手を握りながらユーリさんは宣言した。



「マインは渡さない。マインは私のものだから。まだまだマインにふさわしい私じゃないけど……足りないことばっかりな私だけど!これからいくらだって努力する。マインにふさわしい勇者になる。私にはマインが必要なの。あなた達みたいにマインの凄さに気がつかない奴なんかに、絶対渡さない」

 


「ユーリさん……」


 まさか……そのためにユーリさんは勝負をふっかけたのか?


 僕の汚名を晴らすために。僕が惨めな思いをしないために。


「2度と、マインの前に現れないで。次マインに何かちょっかいをかけたら絶対にあなた達を許さない」


 そう言ってユーリさんは僕の手を引いてその場を後にした。

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