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サポーター。クエスト達成

 結局、ユーリさんがいなくなった後も僕は街中を駆けずり回って行方不明の子犬を捜索していた。


 けれど、子犬の姿はどこにもなく気がついたらもう日が暮れかかっている頃だった。


「うーん、残念ながら見つけられませんでしたね」


 一緒になって探してくれた(といっても、途中からショッピングしたりして油売ってたけど)リアさんも疲れたように伸びをしながら告げる。


「やっぱり……ただ探すだけじゃダメだ。今度は仔犬が好きそうなドッグフードを街中に仕掛けて痕跡を探して……トラップを仕掛けてもいいかも?いや、流石にトラップは依頼主に悪いしだったらもっと子犬が潜めそうな場所をピックアップして……いや、何なら目撃者を募って……」


「子犬相手に本気になりすぎです。帰ってきてくださーい。マインさん……マインさーん」


 次の策を考える僕にリアさんが若干引いたように告げる。


 おっと、いけないいけない。ついつい考え込んじゃったな。


「すみません、つい……。でも、本当はユーリさんと一緒に探したかったんですけどね」


「何です?私はお邪魔ってことですか?」


「ちっ、ちち違いますよ!とっても有難いです!」


 ジト目を向けながら僕を見るリアさんに僕はあたふたとしながら言う。


「ただ……このクエストは僕1人で達成しちゃダメなんですよ。どうしても、ユーリさんにやってもらいたかったんです」


 そうじゃなきゃ、このクエストを受けた意味がないんだ。


 どうしたものか……。


「……その心配は無いみたいですよ」


「え?」


 すると、リアさんがすっと何かを指さす。


 それに釣られるように目をやると、そこには……。


「あ……」


「……」


 ギルドの前で1人寂しげに立ち尽くす1人の女性。


 ユーリさんだった。


「ど、どうしてここに……」


 僕は慌ててユーリさんの元へと駆け寄る。


 すると、ユーリさんの服は泥やススであちらこちらが汚れており、とても疲弊したように肩で息をしていた。


 それだけじゃない。僕の視線はユーリさんの手元に釘付けだった。


「そ、その子犬……」


 ユーリさんの腕の中には可愛らしい子犬。今回のクエストで探していた子犬がいたのだ。


「見つけたの。ぐ、偶然だから。たまたま街を歩いてたら見かけたから……それだけだから」


 驚く僕にユーリさんは視線を逸らしながら告げる。


 どこか恥ずかしそうに。ちょっと頬を染めながら。それでいて少し誇らしげに告げるユーリさんに僕は思わず満面の笑みを浮かべた。


「探して……くれたんですね。本当に……本当にありがとうございます!」


「……別に。たまたまだから」


 そんな僕を見て、ユーリさんの頬がほころんだ。


「ふふふ。これでクエスト達成ですね」


 そんな僕らのやり取りを見て、リアさんがクスクスと笑う。


 そうだ、こうして僕らのクエストは無事に達成することができた。

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