サポーター。女剣士の目標を聞く
モモカさんの店を出た僕らは、大通りのお店で夕飯を食べることにした。
「今日は、1日申し訳ありませんでした」
メニューを頼んだ後、僕はユーリさんに頭を下げる。
「ううん。私の方こそ……ごめんね」
当初のプランからは大きく逸れてしまったけれど、目の前で笑うユーリさんの笑顔を見て僕は満足する。
これで、ユーリさんの鎧も直るし全て万々歳だろう。
「でも……マインの装備、結局選べなかったね」
「大丈夫ですよ。僕の装備なんてゆくゆくで。それよりもユーリさんのあのライトアーマーの方が大切ですから」
僕の装備なんて急がなくても構わない。
第一優先はユーリさんがいい。それが僕の信念だ。
「……マインって変だね」
「へ、変ですか?」
どうして突然ユーリさんはそんなことを?
「うん……優しすぎ」
「えっ……今なんていいました?」
「なっ、何でもないっ」
何かユーリさんが言った気がしたけど、酒場の喧騒の中でうまく聞き取れなかった。
誤魔化すようにジョッキの中の果実酒を飲み干すユーリさんを見て僕はポカンとするしかない。
うーん……気にはなるけど、まぁいっか。
「そう言えば、ユーリさん」
「なななぁに?」
僕はユーリさんのサポーターとしてこれからやっていくわけだけど、1つ聞いておきたい事があった。
「ユーリさんの目標って……何かありますか?」
「目標?」
僕の問いかけにユーリさんは首を傾げる。
「はい、知っておいた方がいいかなって。もしユーリさんがやりたいこととかどんな冒険がしたいのかとか……それが分かれば僕もユーリさんのことサポーターとしてよりサポートしていけると思うので」
ユーリさんが冒険者として何をしたいのか。
僕がサポーターとして知っておきたい情報だった。
「……っ」
僕の言葉にユーリさんの表情が固まる。
「す、すみません……もしかして、聞いちゃダメでしたか?」
予想外の反応に僕は困惑しながら謝る。
「……ううん。いい」
少し沈黙した後、ユーリさんはそっとその重い口を開く。
「目的……あるよ。私はそのために冒険者になったんだもん」
「そう…なんですね」
真剣なユーリさんの眼差しに、僕は思わず息を呑んでしまう。
一体……何なんだろう?ユーリさんがここまで真剣に語る、冒険者になった理由って。
1つ呼吸をおいた後。ユーリさんは僕の目をまっすぐに見つめて、こう言った。
「私は……勇者になりたいの」
ユーリさんの口から出たのは、僕にとって予想外の言葉だった。




