サポーター。ライトアーマーについて知る
「全く……2人仲良く出かけてきたと思ったら、なぁにやってんのさ」
「うっ……」
ユーリさんと別れた僕は、1人レベッカさんの店でカウンターに突っ伏していた。
また……またやってしまった。
本当は喧嘩なんかするつもりなんてなかったのに……どうしてこんなことになってしまったのか。
「あんたらは仲がいいんだか悪いんだか……」
「ち、違うんです……今回ばかりはユーリさんが……」
僕はベソをかきながらもレベッカさんにことのあらましを説明した。
ーーーーーーー
「だって……どう考えたってこのままの装備でいいわけないじゃないですか」
ボロボロの防具のままでいようとするなんて、ユーリさんの身を危険に晒すことと同じ。
サポーターとして、そんなことを看過するわけにはいかない。
きっとレベッカさんだってそう思うだろう。
そう思っていたんだけど、レベッカさんから返ってきたのは予想外の言葉だった。
「あぁ……なるほどねぇ。そう言うことかい」
何かを察したようにレベッカさんは頭を抱えていた。
「すまないねぇ、マイン。でも、今回ばかりはユーリの気持ちをわかってやっておくれ」
「……え?」
僕はレベッカさんの言葉に唖然とした。
そんな僕にレベッカさんは、昔を懐かしむような……そんな優しい顔でキセルに口をつけ、フゥーッと煙を吐き出しながら言った。
「あのライトアーマーはね……贈り物なのさ」
「贈り物……ですか?」
「あぁ……かつて、あの子がサングライト国にいた時にもらったものでね。あの子が唯一心を許せたたった1人の仲間……いや、親友と言った方がいいかもしれない」
「…………え?」
レベッカさんの言葉に僕は固まってしまった。
「そんな人が……いたんですね」
「あぁ。でも、その子は死んじまったのさ。6大魔王死術士ロックスの手によって殺されちまったのさ。ユーリを庇って……ね」
「…………………………っ」
「だから、ユーリはずっとあのライトアーマーをつけてるのさ。片時もあの子のことを忘れないように……いつでもその身にあの子を感じていられるようにね」
レベッカさんの話を聞いた時、僕の時は止まったかのようだった。
そうだ……なんで僕は気付かなかった?
あそこまで嫌がるユーリさんの気持ちを、何で汲んでやれなかった?
何で……ユーリさんがあそこまで嫌がっているのかを、聞くことができなかったんだ。
自身の馬鹿さ具合に、僕は僕を許せなかった。
血が滲むほど僕は自分の手を握りしめて、数時間前の僕の行動を後悔した。
「そうだねぇ。今頃ユーリは西の展望台にいるかねぇ」
「……え?」
そんな僕に、レベッカさんがそんなことを告げる。
「あの子は何かあったらいつもあそこに行くんだ。……ま、それを言ったところで別に何でもないんだけどね」
そう言ってレベッカさんはウインクをした。
「~~~~~~~っ!!」
僕は弾けた弾丸のように立ち上がる。
「レベッカさん!ありがとございました!!」
「はて?何のことかわかんないね」
そんなレベッカさんの声を背中に受けながら、僕は一心不乱に東へと駆け出した。




