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サポーター。サポーターになる

 リアさんは先程までの僕とリアさんの会話を包むことなく全て曝け出してしまった。


 ちなみに僕だって抵抗した。抵抗したけど所詮ボロボロのサポーター。しかも右腕だって動きはしない。


 そんな状態ではリアさんにすら見事に敗退し、完全に組み伏せられながらただただ僕の恥ずかしいセリフをユーリさんへと伝えられることになってしまうのだった。


「ふぅ……と言うわけです」


「リ…リアさぁん……」


 僕はただベソをかきながら虚しくリアさんに組み伏せられるしかなかった。


 女性に組み伏せられ、あまつさえ恥ずかしいセリフを全て暴露された哀れなサポーターが今ここにいる。


 恥ずかしい……恥ずかしいよぅ……!穴があったら入りたい……!!


「マイン……」


 どこか儚げな声で僕の名を呼ぶユーリさん。


「ごめんなさい!ぼ、僕ごときがしゃしゃりました……!」


「ううん。そんなことない」


 僕の言葉を聞いたユーリさんはそう言って首を横に振った。


「謝るのは……私の方だから」


 そう言ってユーリさんは僕の方を見る。


「マイン……あなた、私のサポーターになりたいの?」


「……は、はい。お願いします。もう一度……もう一度だけ、僕にチャンスをください!!」


 リアさんから解放された僕は、ユーリさんに頭を下げて嘆願する。


 もう、取り繕う意味なんてないだろう。僕はありったけの思いを込めて言った。


 もう……もう失敗なんかしない。


 今度こそ、僕はユーリさんを支え切って見せる。だから……だから、どうか……!




「……ううん。そのマインのお願いはきけない」




「……っ」


 けれど、ユーリさんの言葉に僕の足元が崩れ落ちるような感覚を覚える。


 ダメ……だった……?


 突きつけられたユーリさんの言葉にジワリと目の奥から熱い涙が溢れそうになる。





「だって……私がマインにお願いするから」





「……え?」


 たまらず僕は涙で溢れる顔を上げる。


 そこには僕と同じように目に涙を浮かべながら、優しく笑いかけてくるユーリさんの姿があった。




「ねぇ、マイン。私にはサポーターが……ううん。私にはマインが、あなたが必要なの」




 レベッカの言う通りだった。


 マインの言葉を聞いて。こうして顔を合わせて。私の本音が分かった。



「だから……お願い。私のサポーターになって……くれませんか?」



 マインが私のサポーターになってくれる……そんな資格が私にあるんだろうか?


 こんなに素敵な彼に、私なんかが選ばれて良いんだろうか?


 きっと立場は逆。


 私がマインにお願いする立場なんだ。


 こんなどうしようもない私のために、全てをかけて向き合ってくれたマインがそばにいて欲しい。


 私には、マインが必要だから。


 ユーリさんの言葉を聞いて、僕は涙が止まらなかった。



『お前なんかいらねぇ』


『お前は役立たずのサポーター!誰もお前なんざ必要としていない!!』



 僕に浴びせられた罵声の数々が、蘇っては消えていく。


 苦しかった。僕のことなんて誰も必要としてないんじゃないかって……そう思うようになっていた。


「……っぐ」


 僕は嗚咽に苦しみながら、差し出されたユーリさんの手を握る。


 ユーリさんは、こんな僕の手を優しく握り返してくれた。


 嬉しかった。


 僕が1番言って欲しかったことを、僕が今1番言って欲しかった人が言ってくれた。


 『必要』だって。


 こんな僕ことを必要としてくれる人が、ここにいてくれたんだ……!


「ダメ……かな?」


 少し困ったように首を傾げるユーリさん。


「そんなわけ……ないじゃないですか」


 ぐしぐしと溢れる涙と鼻水を拭いながら僕は告げる。




「もちろん……もちろんです!僕はあなたを最後の最後まで支えて見せますから……どうか、よろしくお願いします!!」



「ありがとう。こちらこそこれからよろしくね、マイン」



 これが僕の……いいや、僕達の新たな始まり。


 僕らの冒険の第一歩。


 もう一度言おう。




 これは、僕がユーリさんを最高の勇者にする為の物語。

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