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女剣士。炭鉱へ
明くる日。
私は、インゴット炭鉱に向けて歩き出していた。
傷は癒えた。高レベル冒険者の回復力は伊達じゃない。
もう1度、インゴット炭鉱へ行って今度こそワーウルフキングを討伐する。
そして、全て終わり。終わりなはずなのに……。
「何……これ」
私の胸はよく分からないザワつきを抱えていた。
今まで、こんなこと無かった。今回の任務は初めてのことばかりだ。
「全部……全部、あいつのせいだ」
ギリリと歯を食いしばりながら私はポツリとこぼしていた。
こんなに胸が痛いのも。ムシャクシャするのも。
全部、全部あの男のせいだ。
「こんなの、早く終わらせてやる」
この任務さえ終われば、あの男から解放される。
きっと、あの男がいなくなればこの痛みからも解放されるはずだ。
そう思いながら、私は単身。インゴット炭鉱へと足を踏み入れた。




