女剣士。目を張る
私は状況を理解できていなかった。
突如降り注いだ矢。私を襲うことをやめたワーウルフ達。
動かない身体で、何が起こっているのかを確認するために穴から顔を出す。
そこには……。
「あの…男……!?」
街に情報を集めに行っていたはずのマインがいた。
何で……?
いや、そんなのは火を見るよりも明らかだろう。
私のことを……助けに来てくれた……?
「なん…で……?」
そう口から疑問が溢れながら、私は思わずアイアンソードを握る。
ダメだ。確かマインは冒険者じゃないと言っていた。なら、殺されてしまうかもしれない。
私が戦わないと……!
けれど、それは杞憂だった。マインは鞄の中から次々とアイテムを引っ張り出して、駆け回って。見事ワーウルフ達を倒し切ってしまった。
確かにマインは大したステータスもなく、強力なスキルを持ち合わせているわけじゃない。
私から見たらその能力はとても低く見えてしまう。
けれど、その場の機転で。積み上げてきた経験で見事3対1の逆境から勝利をもぎ取ってみせた。
この世界の、ステータスだけでは計り知れない戦いのセンス。
当然格上の私から見たらチンケな戦いだったかもしれないけれど、何故かその戦いから目を離せなかった。
それは、マインの戦いが凄かったからなのだろうか?それとも、また何か別の理由だったのか。この時のユーリには分からなかった。




