表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/47

ようやくヒーロー視点です!

ここまではいっきに更新したかったので、頑張りました。


 薄暗い月明かりが窓から差し込む。

 天蓋付きのベッドには、美しい女神が眠っている。


「リリーディア」


 彼女が起きている時には決して呼べない名前を、シルヴィオは口にした。

 その名を呼ぶだけで胸が締め付けられる。


「……リリーディア」


 音にすれば心が甘く疼く。

 しかし同時に、罪悪感と、憎悪と、後悔がシルヴィオの感情を支配しようとする。


「俺が君を許す日はきっと来ない……でも、ごめんね」


 リリーディアは、シルヴィオを裏切った。

 あの日の記憶のせいで、何も知らないリリーディアの笑顔にまで苦しくなる。

 それでも、もしリリーディアが記憶を取り戻して、シルヴィオから逃げようとしても、逃がすことはできない。

 リリーディアがいなければ、シルヴィオはきっと死んでしまうから。

 シルヴィオはリリーディアを愛している。

 心から、彼女だけを。


 ――狂おしいほどに。


(君が俺のしていることを知ったら、きっと泣いてしまうだろう)


 自分のせいで泣いている彼女を見るのも悪くない。

 リリーディアを悲しませるのも、苦しませるのも、シルヴィオでなければ。

 他の誰にも渡さない。

 他の――誰にも。

 もうあんな思いは二度としたくない。

 胸が張り裂けそうな痛みを思い出し、シルヴィオは口角を上げた。


「……俺が歪んでしまったのは、君のせいだから。これからも、俺だけを見て」


 余計なことは考えないで。

 リリーディアの人生に刻まれた記憶に、シルヴィオ以外は必要ない。


「君は、俺だけを知っていればいい」


 宝石のようにきれいなピンクの瞳が映すのも、眩いばかりの笑顔も、透き通るような声も。

 見つめるのも、笑いかけるのも、話しかけるのも、シルヴィオだけでいい。


「リリーディア、愛しているよ」


 シルヴィオの手には、月明かりのような淡い光が集まってくる。

 光をまとったその手で、シルヴィオは穏やかに眠るリリーディアの頭を優しく撫でた。


読んでいただきありがとうございます!


ひとまずここまでで第一章が終わりました。

第二章からは最初に宣言していたとおり、不定期更新になるかと思います。

ただ、読者様のお声でやる気スイッチは入りますので、応援いただければ更新は早まるかも(?)しれません。

今後ともお付き合いいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] シルヴィオ様の金色の瞳が美しいです♪ その瞳を覗いても隠し事は見えないけど、リリーディアはその方がシアワセ? 第二章が楽しみです^_^ [気になる点] リリーディアの失った記憶が気に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ