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幼馴染みゾンビにより全人類が俺の幼馴染みに……!!

作者: しいたけ

友也(ともや)ー! 晴香(はるか)ちゃんが迎えに来てくれたわよー!」


「今行く今行く!!」


 口に食パン一斤を押し込み、紙パック牛乳のストローを隙間にねじ込む。

 靴を履いてドアを開けると、そこにはゾンビ晴香が居た。


「うぼぉ」


 矯正をオススメしたくなるような歯並びを剥き出した晴香が、突如両手をあげて襲いかかってきた!!


「さては幼馴染みゾンビか!?」


 超速理解で現状を把握し、咄嗟にドアを閉めて鍵を閉める。


「あげでぇぇ」


「母さん! 晴香が幼馴染みゾンビにやられちまった!!」


「そう、春ねぇ」


 呑気な母親の傍を駆け抜け、勝手口から外へと出る。裏から抜けて学校へ向かう作戦だ……!!




 急いで通学路を走る。

 しかし、通学路の途中にある小さなポストの前には幼馴染みゾンビにやられた老人達が集まっていた。


「チッ! いつも晴香との待ち合わせに使っている良い感じのポストが!!」


 幼馴染みゾンビ老人の一人と目が合い、慌てて進路を変更する。

 校舎裏から侵入してやり過ごすしかない。


 ──ドンッ


「あ、ゴメン」


 知らない制服を着た子とぶつかるが、構っている時間は無い。直ぐさまに走り出した。



「よし、居ないな」


 校舎裏から登校した俺はクラスへと向かうが、既に俺のクラスには幼馴染みゾンビが溢れかえっていた!

 まだ幼馴染みゾンビになっていないクラスメイトが必死の抵抗を見せているが、あっという間に齧られて幼馴染みゾンビへと変貌した。


「なんてこった!」


「おべんとぅ……忘れたよぉぉ?」


 幼馴染みゾンビが大挙して俺の方へと向かってくる!


「ヤバい!!」


 慌てて学校を抜け出す。

 息を切らして家へと戻ると、既に母親は幼馴染みゾンビに成り変わっていた。


「すききらいしちゃダめだぞぉぉ?」


「母親にそんなこと言われたくないわい!!」


 近くにあったフライパンで母親をどつく。

 中身が出ないか心配だが、案外丈夫らしく、三回叩いてもタンコブ一つすら作れなかった。



「あいかぎぃぃぃぃ……」


「しまった! 幼馴染みゾンビ特有の『家族公認の仲だから合鍵持っていてもおかしくない』攻撃だ!!」


 玄関のドアが開き、次々と幼馴染みゾンビが押し寄せる。

 御丁寧に全員がエプロンをしており、思い思いの手料理を引っさげ、襲いかかってきた。


「ともやぐぅぅん……」


「もうダメだ! この世の終わりだ!」


 幼馴染みエンドを確信したその瞬間──



 天井をぶち抜いて、空から知らない制服を着た女の子が落ちてきた。メインヒロインだ。


「いてててて……」


「うぼぉぉ……らいばるぅぅ……」


 幼馴染みゾンビに唯一対抗できるメインヒロインゾンビ!


「あ、朝の……!!」


「友也くん! 今日から宜しく……うぼぉぉ!」


 メインヒロインゾンビの転校初日からの隣の席の屋上でお弁当から同じの部活攻撃は、あらゆるヒロインを置き去りにする、危険な技だ!


「結局どっちもゾンビかよ!!」


 幼馴染みかメインヒロインか。どちらにせよハッピーゾンビエンドだ。



「俺は家庭用ゲーム機版で追加になる友人の妹ルートが好きなんだ!!」


 ゾンビ達に向かって声を大にした。


「いやいやいやいや、訳分からんわ」


 ゾンビ達は挙って顔の前で手を横に振った。



妹ゾンビやクラスメイトゾンビ、風紀委員ゾンビやお嬢様なんかも居たりします。

多分主人公は手からゾンビを出したりしますし、伝説のゾンビの木の下でゾンビすると両ゾンビになれます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] かわい……くはないですね。やっぱりゾンビなので。全人類が幼馴染みになってしまう日も近そうですね……。
[一言] 真のエンディングでは皆揃って名曲のリズムに乗ってダンスを踊るのかな (元ネタはスリラー、自分はひょうきん族のウガンダのパロで初めて知った)
[気になる点] 食パン一斤を口にして、ストロー挿す余裕ってあるのかなぁと超気になりました。ほら、食パンってふわふわじゃないですか。 (*´Д`*)
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