第69話 全ての在り処
「お前でいい、トルネードの居場所を言え」
「し、知るかっ!! こ、この放せ……!」
ジタバタと暴れるチンピラは逃げ出そうとした。だが、麻痺が掛かっているため、思うようには動けず結局倒れた。無駄な抵抗を。
「逃げるんじゃねえ。命が惜しくば全部吐くんだ……でなければ、お前をパープルゴブリンに差し出してやる」
「ヒィ……! ま、まて! パープルゴブリンと言えば、性別関係なしに相手を襲うっていう……しかも金品を奪う性質の悪すぎるあの極悪非道モンスターだろ!? わ、分かったって……教えればいいんだろ、教えれば! だから、それだけは勘弁を……」
「早く言え。3、2、1……」
「まままま待て! 風の渓谷ダンジョンだよ! あの奥にある滝。そこだ! あそこは以前、魔界と繋がっていたんだよ。けどな、魔神が座標を書き換えたようでな……。今はクリーチャーの出現ポイントになっているんだ。オレたちは偶然会ったディオネってヤツに雇われていたんだ……。
……で、どんな方法を使ったか知らんけど、魔王(?)を見張れだの、守れだのいいように使われていたんだ。嫌気がさしたオレ等は逃げ出したんだが、その道中で……女騎士が倒れていやがったんだ」
なるほど。
クリーチャーの出現場所があの人里離れた場所にあったのか。そりゃ見つからないわけだ。しかも、魔神の通り道にもなっているとはな。これで行き来している場所は特定できた。しかもそこには、母さんたちがいるらしい。だが、トルネードは?
「その女騎士はどうした」
「この国と風の渓谷ダンジョンの中間にある小屋で無事だろうさ。
女を人数分手に入れるという話で、この国を襲うことに決めたからな。あんな極上の女がいると分かれば、楽しみは最後まで取っておいたってわけで、まだ手もつけてねぇよ。……ああ、こんなことなら、やっちまえば――――え」
チンピラの男は腕を上げようとしたけれど、そこに腕はもうなかった。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「それ以上言ったら殺すぞ」
「すますますまん…………。そんなつもりはなかっ……」
チンピラは泡を吹いて倒れた。
腕からの出血はない。闇で切断したからだ。
「ゼファ、あの男に一応ヒールを。すまない」
「大変申し上げにくいのですが……わたくし、国の方々をたくさん治療して、もう魔力が残っていないのです……ごめんなさい」
深々と頭を下げるゼファは、困惑していた。
いくら聖女とはいえ、魔力は無限ではないし、そりゃあ国中の人の面倒を見れば魔力なんて空っぽになるわな。
「分かった。チンピラ共はパープルゴブリンの集落へ直送してやれ。フォース」
「いいの~?」
「構わん。こいつらは碌な連中でないし、魔神・ディオネに加担していた事実がある。よりによって俺の母さんの見張り。まあつまりだ、人類の裏切者も同然というわけだ。これは、万死に値する。
あとこのままだと、どのみち俺たちが安心して野宿できないしな」
「分かった。では、この人たちをワープさせる」
フォースは素直に従い、チンピラ共をワープさせた。
まあ、なにも死ぬわけじゃない。ケツを掘られるくらいで済むさ。男の場合は、散々にされた後は荒野に捨てられるという噂を聞いたことがあった。
だからきっと大丈夫だろう。
さあ、これで皆の居場所は分かった。
あとは救出するだけだ。
◆
日が沈んでしまったので、今日は野宿――
いや、即席の家で寝ることになった。
フォースがすっくと立ちあがると、ソウルフォースで残骸をかき集めた後、簡単ではあるが家を建てたのだ。
「あの木屑でここまでの家を作るとはなー」
「さすがフォースちゃんです♪」
「ほんと、フォースは凄いわぁ」
俺含め、ゼファもネーブルも驚嘆した。
さらに驚くべきことに、風呂も出来てしまった。
といっても、そこらに落ちていたドラム缶を再利用した『ドラム缶風呂』だけど。
水はゼファが出してくれた。
お湯にするにはネーブルの『ライジン』でビリッと一瞬だった。
「これじゃキャンプだなあ。まあいいか」
「いいんじゃなーい」
服を脱ぎ捨てるネーブルは、そう笑った。
「って、ネーブル!」
「ん。ユメも一緒に入らない? ドラム缶風呂」
「いや、大変魅力的な提案だけど……サイズ的に無理だろ」
おひとりさまが限界である。
例えふたり入ったとしても……ギュウギュウで密着しまくる。
まー、フォースなら小さいしいけるかもな。
「がんばればいけるって~」
「うっ……! ばかっ、丸見えだぞ……」
「ん~?」
ネーブルめ、わざとか。
「と、とにかく……俺は後だ。いいな」
「仕方ないわね。じゃ、フォースと一緒に楽しんでくる」
「おう」
◆
ネーブルとフォースはドラム缶風呂で和気藹々とやっとるようだ。
その状況を遠くから微笑ましく観察していると――
「ユメ様」
ゼファが背後から抱きついてきた。
「どした。今日のゼファはなんだか大胆だな」
白い指が俺の頬を撫でた。向きを変えられ、目と目が合う。
美しいアクアマリンの瞳。
夜の隙間風に揺れる銀髪。
透き通るような白肌。
潤いのある魅力的な桃色の唇。
全てが愛おしい。
俺が求めるまでもなく、彼女は俺を求めた。
「――――――」
重なっていた唇を離し、ゼファは俺の手を取る。
今度はゼファが後ろ向きになって、こちらに身を預けてきた。
「……ユメ様、こうしていて良いですか」
「いいよ」
あらゆる部位を触っても、ゼファは嫌がらなかった。顔がすっごく赤いけど、俺を受け入れていてくれた。
「ゼファは柔らかいから好き」
「本当ですか? 嬉しいです。もっとぎゅっとしてくれると、もっとユメ様を好きになっちゃいます♡」
「じゃ~、ぎゅっと」
「……嬉しい♡ あ、そうでした」
ゴソゴソと、ゼファは自身の修道服の中に手を突っ込む。
すると、聖女にしては中々に派手な下着が出てきた。なんだこの勝負下着。
「差し上げます。セットですよ♡ 大切に使ってくださいね」
「いいのかよ。寒くないか?」
「大丈夫です。それとも……なにもつけていない聖女はお嫌ですか?」
「嫌いなわけない! 最高だね。むしろぎゅっとしちゃうもんね!」
「はいっ♡」
そうして、俺とゼファは二人が戻ってくるまで、時間を忘れてイチャイチャしまくった。それと、大変素晴らしい神器にも等しいアイテムもゲットした。さて、どう使用したものか。考えるまでもないか――。
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