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第66話 終焉王の剣

 闇がモンスターを引き裂いた。

 もうほとんど残っていない。怒りのままに敵を駆逐し、容赦なくぶっ倒した。残っていてもあとは雑魚だけ。なので、生き残った風の騎士たちに処理を任せた。


 破壊された街を無言のまま歩き、宮廷・サイクロンへ向かうと――



「そうか……そこ(・・)にいたのか。テティス……」



「魔神がいる」


 フォースも禍々しい気配を感じたのだろう、警戒感を露わにした。


「さっきの奇襲に紛れていやがったか」

「かもね、何にしても倒すしかないわよね」


 ビリビリと殺気立つネーブルは気合が入っていた。だけど、


「ネーブルたちは国の人たちの救出へ回ってくれ。ここから先は俺ひとりで行く」


「え……でも」

風の帝国(キリエ)は今や未曽有(みぞう)の危機に瀕している。このままだと国が滅んでしまうかもしれない。そうなってしまえば、世界のバランスがメチャクチャになって崩壊する――そんな気がしているんだ」


 フォースは(うなず)いた。


「ユメの言っていることは正しい。風の帝国(キリエ)が消滅した場合、世界終焉が訪れる。確定事項」


 淡々と悲惨な未来を説明してくれた。ああ、だろうな。いつしかそう聞かされていた。結局、ここで運命に抗わねば未来はないということ。


 魔神を全て倒さねば平和はない。


 ならば勝つ方法を取るだけだ。


「頼む。俺と離れたくないだろうけど……今は我慢してくれ」


「はい、わたくしは賛成です。ユメ様のご意思を尊重致します。ですから、絶対に帰ってきてくださいね」


 俺の手を握り、ゼファが力をくれたような気がした。

 それに続くようにして、


「し、仕方ないわね。ユメ、言っておくけど……死んだら許さないわよ。もしちゃんと戻って来てくれたら……わたしのこと好きにしていいからさ……だから」

「うん、分かったよ。ネーブル」


 彼女の気持ちは分かっている。


「ここが勝負時。テティスを倒せば、ユメのお母さんたちが帰って来るし、残る魔神も一体となる。だから、がんばって」


 フォースの方から抱きついてきて、ぎゅっとされた。それから――


「もし必要なら、これ(・・)を」


 手渡される腕輪。

 ああ、それ(・・)か。以前にプレゼントしたヤツじゃないか。そうか、それを返してくれるということは。


「ありがとう。では行ってくる。国の方は任せたぞ」



 ◆



【 宮廷・サイクロン 】



 サイクロンは、風の帝王・エレイソンの宮廷である。

 本来なら帝王がいるはずだが――。


 奥まで入ると、闇に包まれていた。


 視界は良好とはいえない。常人であれば、発狂しそうな息苦しさだ。



 そんな中に人の気配が……



「あんた帝王か……。エレイソンなのか」



 反応はない。

 気配はゆらゆらと立ち尽くし、俺を凝視しているように見えた。不気味だ。


 よく見れば、それは帝王だった。



「なんだ、あんたか。無事だった――――」



 ――いや、無事じゃない。


 帝王は衣服がボロボロで、深い傷を負っていた。



「お、おい! 帝王!」



 安否を確認する前に彼は地面に落ち、グシャっと倒れた。

 その奥から『業気』を漂わせた魔神が。



「テティス……」



『………………』



 いる。

 確実にそこに魔神がいる。



「あんた、帝王を討ちに来たのか。それとも、他に企みでもあるのか」


『………………』



 しかし、テティスは沈黙するだけ。

 なにも答えない。



 くそ……こいつ、人を馬鹿にしているのか!!!



「もういい、お前を倒すだけだ……」



 その時、



 テティスが姿を現した。



「………………なっ、女か!」



 しかも腕は刃物になっていて、かなり禍々しい。

 こいつは強いかもしれない――そう第一印象を感じたところで、




 いきなり、テティスの身体が膨れ上がり……




『ドォォォォォォォォオオオオンッ!!!!!!!』




 爆発した。



「うわっ! こいつ、いきなり…………し、死んだのか!?」



 テティスが爆死した……?

 なぜ急に? 自殺か?



『…………フフフフフフフフ、どうだったかな、我がサプライズは?』



 更に奥から不気味な声がした。



「お前はなんだ? テティスではなさそうだが」


「我は『エンケラドゥス』だ。闇使い、貴様のことはアトラスの記憶が教えてくれた――。それと貴様の魔王には感謝する」


「魔王!? 母さんたちをどうした!!!」


「クククククククク……。さあな、血を抜きすぎて干からびちまったかもなぁ……」



 コイツ……。



「ひとつだけ聞かせろ。この大規模奇襲も、帝王もテティス抹殺も……エンケラドゥス、てめぇがやったってことか」



「いかにも。すべては我が策略。テティスはすぐに発見できたからな、ブチ殺して我が体内に取り込んでやったのさ。さっきのはただの人形よ。まあ、おかげで研究の知識を手に入れ、今は血の完成を急いでいるところだ。我が肉体を『ナイトメア化』させるためにな……」



「そういうことかよ。ディオネの研究を知ったお前はその成果を奪うべく、テティスを抹殺し、この風の帝国(キリエ)を襲ったってことか」


「そうだ。あとひとつ(・・・・・)足りぬモノがあったからな。だから、お前をおびき寄せる必要があった……おかげで手に入れられそうだ」



「最後に聞いてやる。足りないモノはなんだ」



「…………それは貴様だァ!! 究極の闇を持つ貴様の存在!! 我の体内に取り込んでくれるわああああああああああッ!!!!」



 エンケラドゥスがこちらへ高速移動し、目の前に。


 胸部を開き、大きな口を開けた。



 バケモノめ。



 だけどな……。




「てめぇは殺す」




 ブチギレた俺は……



 窮極(・・)の闇で剣を生成――




『世界終焉剣・エクスカイザー!!!!!!!!!!!!!!!』




 フルパワーで剣を神速で振り下ろした。



「な…………!? …………ぶ、ぶぁかなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!」

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