表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/176

第60話 宮廷アルカディア陥落

 アザトースのあの力は何だったんだ。

 俺たちはいつの間にか『光の天国(ベネディ)』へ転送されていた。


「ユメ……。あのヒト……人間を超えている」

「まあ、アザトースのことは考えたらキリがない。それよりフォース、肩車してやる」

「うん」


 フォースを肩車すると、ネーブルが騒いだ。


「ちょ、ちょっと……、ユメ。さっきの闇は何だったの」

「アザトースの仕業だ」

「アザトース……」

「そう、覇王・ナイアルラトホテプの親みたいなものだ。俺もよく分からんよ」

「うーん……。考えないようにした方が良さそうね」

「頼む……って、ゼファ」


 何が何やらと完全にポカンとしていた。


「大丈夫か?」

「す、すみません。あまりのことに驚いていました」

「すまん。さあ、行こう」


 ――と、少し歩いたところで、


「おいおい、探したぞ、ユメ!!」

「よう、シリウス」


「ようじゃねーって。いきなり居なくなるしよォ! なあ、ベテル」

「急にユメさんたちが闇に(とら)われてしまいました……不覚でした。申し訳ありません」


 頭を深く下げるベテルギウスだったが、彼女が悪いわけでは無い。


「気にするな」

「ユメっち~!」

「おわっ……」


 背後からプロキオンが突っ込んできた。フォースを肩車しているので、危ないつーの。けどま、これでみんな集合か。


「それじゃ、ユメ。俺たちが護衛するからよ。今度はどっか行くんじゃねーぞ」

「頼む、シリウス」



 夢幻騎士に連れられ、やっと城へ向かった。



 ◆



 【 宮廷・アルカディア 】



 アルカディアの前に到着すると、異変に気付いた。

 それどころか、宮廷がいきなり崩壊し、粉々に吹っ飛んだ。


「…………な!! フィ!!」


「女王様!」「フィラデルフィア様!!」「うそ……」


 夢幻騎士たちも驚いていた。


 そんな中、フォースは冷静にスキル『スペシャルガード』を付与しまくっていた。これで、物理・魔法ダメージ半減。……ってか、そんな急ぐってことは、ヤベェてことだ。


「ゼファ、フル支援を! ネーブルはフォースを守ってやって欲しい」


「了解しました」「了解よ」


 グロリアス系のスキルが全て掛かった。


 ――それから、瓦礫(がれき)が吹っ飛び、中からフィラデルフィアが姿を現した。どうやら、無事のようだ。



「……やれやれ。余を直接叩きに来るとはな。しかし、幸運よ。夢幻騎士に、ユメたちも来たか。こんな再会ですまぬが、あの敵を何とかせねばならぬ」



 ギッと砂埃(すなぼこり)の向こうを(にら)むフィラデルフィアは、おっかなかった。……ありゃ、すげぇ怒ってるなぁ。


 そんな中から、異常な気配が現れた。



『…………』



 ……なんだ、コイツ。

 いや、この気配――魔神か!!!


「おいおい……今までの魔神と大違いの『業気』だぞ!! この前のディオネの比じゃねぇ!! みんな、気をつけろ……!」


 俺は正直、ビビった。

 あんな禍々しいヤツは初めてだったからだ。


「お前は何者だ……!」



『…………私は【Eins(アインス)】の地位を拝領したミマスだ』



 くっ……。

 コイツ、声を直接脳内に。テレパシーの一種か!


 というか、ヤツはつまり、魔神の一番目ってことか。

 そんなヤツが、『光の天国(ベネディ)』を襲ってきた……。ああ、くそ、いよいよ徹底破壊ってことか。


「どうする……フィ」

「我がアルカディアを破壊したヤツに代償を払わせねばならぬ。……だが、このまま感情に身を任せて戦えば、国は滅びよう。であれば……」


 フィラデルフィアは、『闇』を展開した。

 純粋な闇が広がり、枝分かれしていく。それらは次第に外界と分離、隔離され、別次元へと移り変わった。要は結界みたいなものだ。


「これで存分に戦えよう――我が子ら、夢幻騎士」


「了解しました、女王様」「ご期待に応えましょう」「行くしかないよねえ~」


 シリウス、ベテルギウス、プロキオンが動き始めた。

 まさか、あのミマスを倒すってーのか、無茶だ!


「まて、フィ。魔神(あれ)は明らかに今までとは違うぞ!」

「しかし、倒せねばどのみち我らは終わりだ」

「そりゃそうだけどさ……! く……」


 すでにシリウスは、ミマスの前に立ち、剣を振るっていた。

 剣と――刀らしき不気味な武器とぶつかり合い、鈍い音が響いていた。……敵も武器を持っている。なんだあれは、刃の形状がスパイラルだ。螺旋状にエネルギーが取り巻いていた。



『――――――神槍・グングニル!!!!!!!』



 あれは、プロキオンの神器。

 それが投げられていた。



 しかも、



『――――――ベテルギウス!!!!!!!!』



 自身の名のスキルを放つベテルギウス。



 夢幻騎士の力が押していく。

 これは……いけるか!?



『……ほう、この国にこれほどの騎士たちがいようとはな。このような魔神の姿でなければ、正々堂々戦えただろうに、残念でならない……』



 無感情のままミマスは刀らしき武器、あの螺旋(らせん)を高速回転させ――夢幻騎士たちを簡単に振り払ってしまった。


 なんて力だ……!


 空間の壁……と、言っても距離的にはかなりあるんだが、そこにシリウス、ベテルギウス、プロキオン全員が激突し、倒れた。


「…………シリウス!! ベテルギウス!! プロキオン!!」


 ウソだろ……。

 距離も遠いうえに、瓦礫(がれき)に埋もれてしまって生死は分からない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ