表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/176

第27話 スーパーエクストラボス

 南極大陸に位置する光の天国(ベネディ)は、寒すぎた。

 白い風景が続く極寒(ごっかん)の地。


 しかも、いきなりブリザードに襲われる最悪な事態だ。



「さびぃ~…………」



 この普通の生物が生きられないような寒さが、モンスターやクリーチャーを受け付けないようにしている。自然のバリアってところだ。



「さ、寒いわ……」



 ネーブルは簡単に言ってしまえば、常に半袖・短パンなので薄着。寒そうってか……あんな夏のカッコしてりゃあ、そりゃ凍え死にそうだ。到着早々、災難すぎる。



「…………うぅ」

「くそ、寒いってのを失念していたぜ。ネーブル、めっちゃブルブル震えてるな。仕方ない、俺が温めてやろう!」



 ぎゅっと抱きしめてみると、ネーブルの体は氷のように冷たく、冷凍状態に近かった。これでは肌の感触がどうとかのレベルではない。こんなん、状態異常の『凍結』になっちまうぞ!?



「つめたっ!!」

「ユ、ユメ…………」



 がくっとネーブルは俺の方へ倒れてきた。

 不可抗力で、あくまで(・・・・)不可抗力で手になんとも言えない感触が――。いや、そりゃいいな。今はそれどころじゃない。



「このままでは凍死しちまうな。ネーブルは俺が温めながら運ぶ。ゼファとフォースは歩けるか?」


「わたくしは平気です!」


「ゼファは元気だな! そっか、水の聖国(サンク)出身だし、スキルで水神の加護もあるんだっけ」


「はいっ。ですので、わたくしは寒さとかに強いのです。でも、フォースちゃんも凄いです。あんな薄着なのにピンピンしていますよ!?」



 そういえば、姿が見えないな――と、振り向くと。



「うぉ!? 超元気に動き回ってるー!?」



 こんなヤベェ寒さの中、元気いっぱいにダッシュしていた。楽しんでいやがる!!



「ユメ~! 雪だるまー!」

「おま……平気なのか、フォース」


「うん。あたしはソウルフォースがあるもん。ユメも使えばいいのに。ポカポカになれるよ~」


「え」



 なにそれ、そんなことも出来たのかよ。

 便利だな、ソウルフォース。



「俺はそこまで修行していないからな、やり方を教えてくれ、フォース」


「うん。まずね、深呼吸」



「~~~すぅ」

「もっと」


「~~~~~~~すぅ」

「もっと」


「~~~~~~~~~すぅぅぅぅ」

「もっと」




「死んでまうわ!!」




「ユメ、自然と一体化するんだよ。それはそう簡単なことじゃない。それにね、ソウルフォースは儚いの。だから、丁寧に両手で汲み取るようにしないとダメ。乱暴に扱えば、すぐに零れ落ちちゃう。自然への敬意と理解を深め、ちゃんと思いやるようにして――」



 あわわわ……。

 ソウルフォースのことになると、フォースは饒舌(じょうぜつ)だ。てか、ちょっと怒ってる!?



「わ、分かったよ。もう一度やるから……すぅ~~~はぁ~~~」



 俺は目を閉じ、この大自然に集中する。


 ……すると、なんか白い(もや)が見えてきたような、気がした。



「こ、これが……」


「モンスターだああああぁぁぁああッ!!!」


 もうすぐで防寒出来る寸前までいったのだが、そこで失敗に終わった。



「なにィ!? 誰だ、邪魔したやつー!! てか、モンスターだって?」



 遠くから人間(ひと)が猛ダッシュしていた。

 あれは、モンスターから逃げているのか!



「おいおい、なんか巨大な何かを引き連れているぞ!」

「そこの四人、すまなああああい!! こんなつもりはなかったが、心配するな!!」



「いや、めっちゃ心配ですけど! その後ろの巨大モンスターって『ギガアイスタイタン』でしょう!!」



 説明しよう。


 ギガアイスタイタンは、ゴーレム系モンスターの上位存在であり、かな~り固い。大抵の刃物は折れて終わりだ。それほどにヤツのボディは固く、肉厚だ。



「仕方ねえ、俺の出番か……! それか、戦いたい人は挙手しなさい!」



「…………」


 ネーブルは凍結で気絶中につき、当然の如く沈黙。


「…………」



 フォースは、先ほどのソウルフォースの件で機嫌が悪い。


 すまねぇ! 修行不足で!


「申し訳ありません、ユメ様。わたくしはネーブルとフォースちゃんを見ていなければなりませんので」



「ですよねー!! じゃあ、俺しかいないよな!!」



 闇スキルで『魔剣・エクスカイザー』を生成し、構えた。



「いくぜええッ、だりゃああァ!!」



 俺はギガアイスタイタン目掛けて突撃していくが、あの逃げていた人が突然、ジャンプし一回転。俺の方に向かってきた。



「とぉぉおお!! しゅたっと……これを食らうがいい、我が秘剣の刃……!!」


 逃げ回っていた男らしき人物は(さわ)やかに笑うと――




『シャインブレェェェェェェエエエエエエ――――――ド!!』




 彼の股間(・・)からとんでもない量の光が発せられ、ギガアイスタイタンを滅殺してしまった。てか、剣関係ねえええええ~~~~~~~~!!!



「なんだ、自分で対処できたんじゃないか」

「……ふふ、キミに会うための余興(よきょう)だよ。ユメくん」

「? あんた……あ! 見覚えがある。夢幻騎士の……!!」



「覚えていてくれたのかい!? そうさ、オレは夢幻騎士の――」


 夢幻騎士が名乗ろうとした、その時。

 地面からピキピキと嫌な音が響いた。



「え……」



 すると、すぐに地割れが置き、氷の大地がひっくり返った。……いや、()から何か出てくるぞ……!




「お、おいおい……まさか、スーパー(・・・・)エクストラボスか……!」




 四属性大陸では通常のエクストラまでだが、南極と北極では、スーパー、ハイパー、ウルトラタイプのエクストラボスが出現するのだ。今まさに、スーパー級が召喚されてしまった。おそらく、あのギガアイスタイタンが引き金になったのだろう!!



「なんてことしやがったー!!」

「……す、すまない! ユメ、あとは任せたぞ!!」



「結局、俺かよ!! まあいい、レアアイテム入手のチャンスだ!!」



 闇の極解放(ダークフォーム)――!!



 と、闇を展開したと同時に、俺は巨大な――巨大すぎる鋭い鉤爪(かぎづめ)を持った掌に押し潰されかけた。あっぶね!



 しっかし、デカイな。

 デカすぎんだろう。



 山のようなデカさを誇る巨大なアイスゴーレムが出現した。形状はドラゴンであった。なんて透き通った青いボディをしてやがる……!



 あの感じから、どうやら『ブリザードドラゴン』ってところらしい。



 ブリザードドラゴンは、一気に空へ羽ばたきその巨躯(きょく)を見せつけて来た。なんて身も凍るようなド迫力だ。



「ヤロー、俺を無視して光の天国(ベネディ)を襲う気か……! そうはさせねえ!!」



 さっきのフォースの言葉を思い出せ、俺。

 自然と一体となるんだ……!!



 深呼吸(・・・)を忘れるな。



「…………~~~~~~~~すぅ、はぁ………!」



 見えた!!



 白い(もや)



 いや、反転(・・)した。



 黒い(もや)――――いや、これはバランスだ。




 これは……、隠された質量(ミッシングマス)か。




『イベントホライゾン――――――――――!!!』




 究極の闇を全力投球し、ブリザードドラゴンに衝突させた。



『グゴォオォォォォォォォオオ――――――――――!!!』



 全てを無に帰す力は、ドラゴンの体をバラバラに砕き、崩壊。最後には空中での大爆発を起こした。



「うっし、こんなところか」



 手応え有り。

 確実な勝利で、しかもソウルフォースの一部を極めた。



「ユメ……」


 申し訳なさそうにフォースがやってきた。



「さっきはごめんね」

「さっき? なんの事だ?」


「厳しいこと言っちゃって……あんなつもりなかったの。でも、ソウルフォースがまた強くなったね。すごいよ、ユメ」


 もじもじとしながらも、フォースが()めてくれた。


「だ……だからね、抱っこしてもいいよ」

「ん? なんだって?」

「……してもいいって…………うぅ」


 なるほ。さっきの詫びのつもりらしい、ぜんぜん気にしてないけどな。けど、せっかくの好意である。断る理由もない。



「じゃ、抱っこするぞ」

「うん♡」



 さて、ネーブルはゼファが抱えてくれているし、光の天国(ベネディ)へ……。



「待てい!」

「忘れてたよ……」



 そいや、もう一人いたっけな。

 夢幻騎士が――。

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ