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幼女は正義 〜 吟遊詩人は軌跡を唄う 〜  作者: きっと小春
第一章 転生チートのはずなのに
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第8話

 リブ村に到着したが、深夜の静まり返った村の迷惑になるということで、村から離れた広場に野営を設置した。


 レオナの魂が肉体へ完全に定着したのか、一般的な幼女と同じように長い睡眠が必要となったため、天幕を先に設営してもらい、現在爆睡中である。


「レオナちゃん、可愛いっすね〜」

「マジ天使だ!!」

「俺の妹だったら」


 などと、天幕の中を覗きに来る輩が大量に発生した所為で、ローレンツ隊長が天幕の前で寝ることになった。そして、朝目覚めたレオナが天幕から出ようとして、ローレンツ隊長が地面に寝転んでいるのを見て驚くまでが、昨晩のイベントであった。


「ローレンツ隊長!? 変態の仲間入り!?」と、朝一番に騒いだレオナだったが、それ以降は借りてきた猫のよう静かであった。


 朝食を食べ終わったレオナは、野営地から見えたオルドリック川に架かる大橋のたもとまで来ていた。


「うわぁっ! 凄く綺麗な川…」


 川底まで透き通って見えるオルドリック川とバックに映る高い山脈のコラボに感嘆する。


 ファンタジーの世界みたい!!

 あっ。ここファンタジーの世界だった…。


 多分、あたしは、このリブ村に預けられるんだろう…。


 幼女がいつまでも騎士団と一緒に行動できる訳がないのだ。騎士団には騎士団の目的があり、あたしはたまたま保護されたに過ぎないのだから。


 たった3日間だけだったけど、ローレンツ隊長たちが、レオナの心の拠り所になっていた事に気が付く。一緒にいたい…と、心から願った。


「レオナちゃ〜ん!! 何処だ〜!!」


 ジークヴァルトお兄ちゃんが探しに来た。


「こ、ここだよっ!!」

「いたいた。勝手に一人で出歩いちゃダメだぞ。ほら、補給が終わり次第、出発するから」

「えっ…。また…連れてってくれるの!?」

「当たり前だろ?」


 嬉しくて…。ジークヴァルトお兄ちゃんの足にしがみつき、ワンワンと大声で泣いていると、騎士団の方々が異変に気が付き駆けつけてきた。


「おい、ジークヴァルト!? レオナちゃんに何をした!?」

「お前な…レオナちゃんをいじめるなよ!!」

「ほら、レオナちゃん。こっちにおいで」


 心配してくれる騎士団が嬉しくて、またまた嬉し泣きしてしまう。


 すると、ローレンツ隊長が「お前たち、いつまで遊んでいるんだ? 出発の時間だぞ!!」と怒りながら近付いてきた。


「レオナちゃん? こいつらが何かしたのか?」


 涙を拭い「うん。優しくて、嬉しかったの」と笑顔で言った。


 「そうか」とローレンツ隊長も嬉しそうに笑い、ワシャワシャと頭を撫でてきた。

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