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幼女は正義 〜 吟遊詩人は軌跡を唄う 〜  作者: きっと小春
第一章 転生チートのはずなのに
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第2話

「女の子だ。女の子が一人でいるぞ!!」

「魔物に襲われる前に保護しろ!!」




 女の子と言われ、自分の姿を確認する。

 まず最初に目に写ったのは、小さく瑞々しい綺麗な手。

 衣服は濃い青のボレロに白いワンピースのスーツ風ドレスで、首元には大きなリボンがあった。


 夢の中で夢だと思っていたが、何か違和感を感じた。


 僅かに生前の記憶を思い出す。


 ハッとなり心臓の鼓動を確認するため、胸に手を当てると、しっかりと鼓動はあるのだが、胸が無くなっていた。


 現実に引き戻され始めていた。


 あれれ? 確かサービス終了イベントのカウントダウンで、心臓が止まって。画面見たらメッセージがあって、こちらの世界に…とか。




 騎士が馬から降りると、目線を合わせるためにしゃがみ込み、優しい声で話しかけてきた。


「お嬢さん。アルファンスの街から逃げてきたのかい?」


 アルファンスの街とは今でも燃え続けているあの街のことだろう。現状が把握できないままコクリと頷く。

 

 アルファンスの街? アルファンスの街? 何処かで…。あぁ。アレだ。聖騎士への転職イベントで何回も付き合わされたことがある…あの…アルファンスの街…なの?


 ぼーっとするあたしの頭を「大丈夫、大丈夫」と言いながら撫でる騎士に、別の騎士が乗馬したまま近付いてきた。


「ローレンツ隊長。駄目です。街は、火竜が門の一部を溶かしてしまい開閉ができないため、出入りすることが出来ません」


  ローレンツ隊長と呼ばれた騎士は、しゃがんだままこちらを見る。


「君は…どうやって街の外に出たんだい?」


 街の焼ける匂い、精巧に描写される騎士の鎧、馬の足音、肌で感じる朝日の暖かさと足の裏に感じる小石の感覚。ここまでリアルだと、これ夢じゃないよね?


 まさかゲームの世界!? もしかして!?


「ス、ステータス!?」すると『ステータス』画面が視界に投影された。


□□□──────────────────────

○名前:レオナ・カレンベルク(人間・女性5歳)

○職業:吟遊詩人(バード)(Lv1/99)

○能力:体力120

    筋力147

    魔力113

○習得:演奏聖歌Lv10

    演奏金管楽器Lv10

    演奏木管楽器Lv10

    演奏打楽器Lv10

    演奏弦楽器Lv10

○加護:音楽の女神

    月と祭りの神

    闇と声の魔神

○称号:歌姫

    音律の伝道師

○状態:正常

──────────────────────□□□


「い、いや、ローレンツだ。私の名はステータスじゃない」


 どうやら隊長さんは、ステータスを知らないらしい…。


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