表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王立騎士団の花形職  作者: 眼鏡ぐま
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/107

21.方法

ブクマありがとうございます。

「ユーリ!」


 私はユーリに駆け寄るとその毛並みを堪能すべく抱きついた。もふもふたまらん。


『ええい、やめんか!お前はどうしていつも私に会うと抱きつくのだ!』

「もはやこれは挨拶の一部!諦めて!」

『ぐぬぅ・・・まあ良い。お前にはいずれ良質な魔力をいただくわけだしな。特別に許可してやろう』

「っは!そうだった!そのことでユーリ呼んだんだった!」


 ユーリを堪能することに気をとられて本来の目的を忘れるところだった。


「ねえ、ユーリって初代国王に魔力貰ったことあるんだよね?」

『初代・・・ああ、サンディアの事か。ずいぶん懐かしい名前だな。あの者の魔力も大変美味であったな』


 ユーリが過去を思い出すかのように目を細める。


「そう、それ!サンディア様に魔力貰った時ってどうやってたの?」

『?普通に喰わせてもらっていただけだが・・・そういえばハルカは直接送り込もうとしているな』

「食べる?」

『魔力の塊を喰っていた。その方法以外でもらったことはないな』

「そうなの?!先に言ってよー」


 思わずがっくりと項垂れる。あんなに悩んでいたのにまさかの直接口から食べるとは。


『何をそんなに驚いている?お前たち人間が口から空気を吸うように私たちは魔素を吸うのだ。魔素を含む果実を食したりもするがな』


 そんなことも知らなかったのかと呆れを含んだ声で言われたって知るわけがない。魔素なんて言葉もこちらに来て初めて知ったというのに。


「ユーリ達に魔力の供給が出来ないって言ってるの知ってるんだから言ってくれればいいのに」

『聞かれもしなかったしな。それに私も魔力の供給が出来るものはサンディアしか出会ったことが無かったのだ。お前のようなやり方でも出来るかもしれないと思っていたとしても不思議ではあるまい?』


 口を尖らせて文句を言う私に、またしても呆れたように言うユーリを見ながらふと湧いてきた疑問を口にした。


「でも口からってどうやって?魔力だけを空気中に留めておくなんて出来ないよね?」


 魔力を魔法として外に放出した時点で何かしらの属性が付いている。それは氷だったり炎だったり。しかし私が人へ魔力を供給する場合、そこには何の属性も生まれていない。ただ自分の魔力を流し込むだけだ。

 サンディアはどのようにして聖獣たちに魔力を食べさせていたのだろうか。


『サンディアは自分の魔力を練り上げて光る珠のようなものを作り上げていたな。私たちはそれを飲み込んで自らの糧としていた。身体中を満たす魔力を得た時の満足感は後にも先にもサンディアからその珠をもらう時だけだ。この森にも良い魔素は含まれているが如何せん一度に口に出来る量は微量だからな』

「魔力を練り上げる・・・」


 さらっと言ってくれているが練り上げるとはどうするのか?考えたところで答えは出なかったので、とりあえず掌に意識を集中して火炎球を作り出しユーリに聞く。


「こういうのとは違うんだよね?」

『当たり前だろう。そんなものを喰ったら火傷では済まないだろうが』

「だよねー。じゃあここから炎を消す感じかな」


 掌の上でオレンジ色に渦巻く火炎球をじっと見つめ炎を消すイメージを持ちながら意識する。すると炎は少しずつ消えていき・・・水球になった。


「・・・・・あれ?」

『・・・・・』



 違う、そうじゃない。火を消すイメージを持つとどうしても水のイメージが湧いてくる。

 魔法は想像力。それゆえ水球に変わってしまったようだ。


「・・・炎から始めたのがいけなかったんだよ。次は風でやってみる」


 再び意識を集中して今度は風球を作る。そして同じように風を消すようにイメージをする。

 ―――――― シュンッ。


 風は消えた。そして球も消えた。


「む、難しい・・・」


 私はがっくりと肩を落とした。属性を変化させることは簡単に出来るのに無くすことがこんなに難しいとは。サンディアが生きていればやり方を聞けるのに、と思わずにはいられない。


『・・・短期間でずいぶんと自然に魔力を扱えるようになったな』


 唐突にそう言われたかと思うとユーリのふさふさな尻尾がぽすぽすと背を叩いた。


「もしかして慰めてくれてる?」

『・・・なんのことだ』


 ふいっと視線を外されてぶっきらぼうに言い返された。私は口の端を上げて思わずニヤニヤしてユーリに抱き着く。


「ふふ、ありがとう」

『だから、何のことだ』

「べつにー?」


 素直じゃないけどやっぱりユーリは優しい。鬱陶しいと言われ振り払われてもやっぱり優しいと思う。


『その程度の魔法で満足せずさっさと私に魔力を寄こせるようになれ』

「はーい。次会う時は供給が出来るように頑張るね」

『期待しないで待っておいてやる』


 ふんっと鼻を鳴らしてわざと偉そうに言うユーリに笑顔で返し、今日は宿舎に戻ることにした。

 よーし!魔力供給の方法はわかったから、あとはどうやって純粋に自分の魔力のみを練り上げるかだ。

 今日の時点で魔力供給が出来なかったことよりも方法がわかって少しだけ状況が前進したことに嬉しさを感じながら、明日からまた頑張ろうとぐっと拳を握った。



最近アクセス解析というものに気が付き、読んでくださっている方の多さに驚きました。

めちゃくちゃ嬉しいです。

ありがとうございます(*´▽`*)

やる気倍増で続きも頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆3巻電子で発売中☆

挿絵(By みてみん)



こちらもよろしくお願いします!

私の名はマルカ【連載版】  連載中
本当の娘でもない私を引き取ったのは何のため?
母様を馬鹿にするなんて伯爵許すまじ。後悔させてやりましょう。
悪を成敗した後は公爵子息から好かれるけれどなかなか受け入れられないマルカの話。

あなたと私の美味しい関係 完結済み

ヒーローは遅れない 短編完結
ヒーローは遅れたくない 短編完結

恋愛結婚いたしましょう 完結済み
「恋愛結婚がしたかった」婚約を結んだその日、婚約者になったばかりの男がとんでもないことを口にした。この婚約が不服なのかと思ったら、実はそうではないようで……?
苦みの無い甘いお話です♪

悲しみを乗り越えて ~マルカの親の物語~  完結済
マルカの両親の恋の話、そしてマルカは如何にしてマルカになったのか。
『私の名はマルカ』に続く話

駆け引き不要の恋愛事情  完結済み
おひとり様歴=年齢。恋に臆病なアリシアの恋愛事情。
泥沼無し!愛されて終わるハッピーエンド。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ