18.先生と生徒
お待たせして申し訳ありません!
少し短めですが切りの良いところまで。
「ではその水の球を凍らせて」
「はい」
掌の上に浮いていた水のボールをパキッと凍らせる。
おまけで凍らせたものに熱を加えてジュッと蒸発させた。
「大変結構。ほぼコントロールは問題無いね。正直こんなに早く身につけられるとは驚きだ」
ダントンはそう言いながら軽く拍手をした。
気合を入れ直した翌日から、私は魔導師長であるダントンに師事して魔力に関する教えを受けていた。私はダントンに師事するにあたって彼のことを先生と呼び、敬語も止めてもらうようにお願いした。ダントンも様呼びからハルカ嬢と変えてくれた。
持っている魔力量の多さと、今まで魔法に触れたことが無いという点からも、思い通りに扱えるようになるにはそれなりの時間を要するだろうと私を含めみんながそう思っていた。
・・・が、意外や意外。私には魔力のセンスがあったらしくものの2週間ほどで問題無く魔力をコントロールできるようになっていた。
とはいうものの、初めの1週間は自分の中を巡る魔力を認識出来ず苦労した。そこで私はダントンにお願いして魔力測定の時と同じように強制的に魔力を引き出してもらうことにした。
制御できない魔力が体内でずっと燻ぶっていると魔力酔いを起こす、体に負担がかかるなどと言われたが、魔力を認識できない状態では何も進まないと無理を言ってお願いした。
魔力を引き出せないなら魔力を抑えるほうからやってみる。
体力を奪われる日々が続いたが、一度抑えられるようになるとその逆に引き出すことも簡単に出来るようになった。説明するのがむずかしいが、真冬に熱いお茶を飲んだ時に胃がぽかぽかする様な感覚が身体全体に広がる感じ、とでも言えば伝わるだろうか。
とにかく、そこからはあっという間だった。認識できなかっただけで操作の方は教えられたことをどんどん吸収していった。
簡単に言えば、魔法を使う上で重要なのは想像力だと思う。誰でも見たことがないものを想像するのは難しいけれど、日本にいた時のテレビや映画や漫画にゲームなどで見た映像が非常に役立っていると感じた。
「コントロールは問題無いとして・・・あとは肝心な供給の方だね」
「そこなんですよねー」
ダントンの言葉に私は曖昧な笑みを浮かべる。
そう、今上がっている一番の問題、それは魔力の供給についてである。
誤解の無いように言っておくが、人への魔力供給は出来るということがわかっている。ダントンやアランやラジアス、他の第二部隊の人たちにも協力してもらい出来ているということは確認済みだ。
ただ、なぜだかユーリ達にはできない。
そもそも魔力供給のやり方だが、私が相手に触れて自分の魔力を送り込むというものだ。
それって前にラジアスが私にやったことじゃないの?と思うかもしれないが、これが不思議なところで私以外の人が他の人に魔力を送り込んでも特に何も起きない。
魔力を送ったという事実だけで、その魔力が相手のものになるわけではない。
つまり、私が行った時だけ“魔力を送る”ではなく“魔力を贈る”状態になるのだ。なぜかと聞かれてもそれが特性というものだとしか説明できないらしい。
話を戻すが、この方法がなぜだかユーリ達には使えないのだ。
「先生、なぜユーリ達にはこの方法が使えないのでしょうか?」
「うーん、そもそも供給の特性を持つ者自体が稀なのでなんとも」
「でも昔お一人だけいらっしゃったと、そう先生はおっしゃったと思うのですが」
「ああ、約300年前の・・・このレンバック王国の初代国王陛下のことだね」
「初代、国王陛下…?!」
そんな重要人物しか持っていなかった特性だなんて初耳なんですが。驚く私をよそにダントンは話し続ける。
「あれ?言っていなかったかな?そもそも初代様のその特性のおかげでこの国が出来たと言っても過言ではないね」
「そんなすごい特性なんですか、これ」
「うーん、せっかくだからこの国の成り立ちについて説明しようか。その様子だとまだあまり詳しいことまでは教わっていないのだろう?」
私はその問いに頷く。
魔力コントロールと並行して教わっているこの国についての知識はまだまだ浅く、知らないことの方が多い。
そんな中で初めて知った、私と同じ特性を持つ初代国王の話に興味が湧かないわけがない。
お願いします、といえばダントンはこの国の成り立ちについて教えてくれた。
ブクマありがとうございます!
続きを待ってくれている人がいるというだけで・・・待っている人いますよね?!
やる気に繋がるのでそういうことにしておきます。
だいぶ間が空いてしまった分早めに次を上げたいと思います。
頑張るぞー!




