テンプレですか。
転生することになった。
何を言ってるかわからないと思うが、俺も分からん。
とりあえず今の状況を簡潔に説明すると、
ラノベみたいな、人救いのためのトラック事故
↓
気づいたらあたり一面真っ白世界
↓
女神と名乗る妙齢の美女が現れる
↓
善行のための死なので、転生させてくれる
↓
これまたラノベみたいな特典プレゼンツ!←今ココ!!
「それで、特典ってのは?」
「はい、特典というのは転生先での世界で《素質スキル》と言われるものを優遇させて頂くものになります」
素質スキルっていうのが、ラノベとかのスキルと何の違いがあるのかは分からないが、それは転生先でわかるだろう。
「うんうん、それでその《素質スキル》ってのはどうやって決めるんだ?」
「こちらのカードの中から適当に引いていただいてもらいます」
女神がそういうと目の前に裏返ったカードが4、50枚ほど現れた。
うし、引くか。
「これで」
「かしこまりました。では何が出たかはあちらの世界でのお楽しみです」
女神は微笑みながら言うと、
「では、いってらっしゃいませ。貴方様のご武運をお祈りしております」
すると、俺の視界は光で包まれて―――――
知らない天井だ。
お決まりの言葉を言おうとしたら、
「おぎゃぁ」
乳児のような声が出た。
乳児のようなというか、俺自身乳児みたいだ。
体も小さいし。
すると・・・
「おぉ!生まれたのか!ミクル、そなたに似て心優しそうな子だ」
「えぇ、それでいて髪の色や、瞳の色、凛々しい眉など、陛下にもよく似ています」
二人の男女が入ってきた。周りには騎士が数人ついている。
男は堀の深い、ダンディな顔をしている。
海外の有名俳優と言われても不思議ではないぐらい整った顔だ。
歳は40前半ぐらいだろう。
それでいて体つきはがっちりして、高そうな服を纏っていてもわかるほど筋肉がついている。
髪や瞳は銀髪翠眼だ。
女のほうが言っていたから俺も銀髪翠眼なのだろう。
一方女のほうは髪、瞳ともに朱色だ。
顔立ちもそこらのハリウッド女優よりも容姿端麗だ。
こちらの年齢は20半ばぐらいといった感じだ。
美男美女の夫婦ということだろう。
そういえば・・・言語が理解できるな。
日本語ではないのだが・・・
そこは女神が気を利かせてくれたということなのだろう。
話を聞く感じだと、この二人が俺の両親みたいだ。
それも、どこかの国の国王。
いいね、いいね。
異世界生活楽しそうじゃない。
「陛下、名前はどういたします?」
「名前か・・・うむ・・・」
父はしばらく悩んだ後、
「ガンクなんてどうだろうか?」
「ガンク、ガンク、いい名前です!」
父は俺のことを持ち上げると。
「そなたの名前はガンクだ。ガンク・ローグス・スイラ・アールだ。ほれ、ガンク高い高いだ!」
俺のことを天井に向かって放り投げた。
高さ3Mぐらい。
おい!
これ、高い高いじゃねえだろ!!
他界他界だよ!
こうして俺の、第二の人生。
ガンクとしての人生が始まった。
この作品をこれからよろしくお願いいたします。