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暑中見舞い

作者: 武田道子

暑中見舞い



蹴り上げた空が

逆さになって

迫ってきた

入道雲が逆さになった

ソフトクリームのように

青一色の中に溶けていく



眩いばかりの

黄金のひまわりの花びらが

青一色の中で

拡散して

グラグラと揺れる陽炎に

燃やされる



暑さが

水の中で溶けない砂糖のように

ゆっくりと午後に

沈殿して

ねっとりと大気を

重くする



壊れたネジまきおもちゃの

行進のように

セミは力一杯

全身全霊で鳴き続け

木にしがみついて

未来を探す



暑中お見舞い

ありがとう

かき氷が食べる前に

雪崩のように崩れてしまった

私はそこを泳ぐ

クラゲ



でも蹴り上げて

駆け上った空は

なんだか楚々として

よく見ると

寂しそうな青い目で

私を見つめ返していた


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