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吸血鬼の姫は恋をご所望  作者: えりー
4/8

葵は陽介の事が嫌いなわけではない。

むしろ好ましく思っている。

しかしあまりにも近くにいた為恋愛感情を持てずにいた。

陽介だったら事情を知っているし、自分の事を大事にしてくれると葵は思っていた。

だが、陽介に対する劣等感がどうしても拭えない。その上女子からの嫌がらせが酷い。

そうなると陽介の傍には居づらくなった。

それゆえ、陽介に冷たい態度をついとってしまう。

それに、吸血鬼の世界は弱肉強食。

そんな中に大事な幼馴染を放り込むことは出来ない。

愛し合い血を吸われた者は吸血鬼となり、一緒に吸血鬼の世界へ行くという習わしがある。

葵は陽介には人間でいて欲しいと思っていた。

この平和な世界で一生を終えて欲しい。

そう願っていた。

そんな中、優し気な自分好みの転校生が現れた。

葵は水城の事が気になって仕方なかった。

それを恋だと思った。

しかし、それが恋ではないことに気がつくのは随分後になる。

水城が今日不思議なことを言っていた。

(ロザリオに触れたも大丈夫なのかと・・・)

他の吸血鬼はロザリオに触れるとやけどしたり、手が焼け落ちたりする者もいる。

でも、吸血鬼の王族の姫である葵はロザリオくらいでどうにかなったりしない。

それほど吸血鬼としての力が強いのだ。

その代り、全く勉強が出来なかったり、運動音痴だったり色々苦労はしている。

吸血鬼としての力を発揮できればかなり機敏に動くことが出来る。

そのことは陽介も知らない。

(・・・どうして水城君は銀のロザリオなんて持っていたのだろうか?)

(キリスト教?なのかな?)

ぼんやりそんな事を考えていた。

そんな事より、なんとかして水城を自分に振り向かせなければいけない。

恋をして、愛し合い、血を分けてもらわなければ灰と化してしまう。

なるべく急がないといけない。

葵は自分の体を抱きしめ、まだここに自分の体があることを実感した。

やっぱり半ば諦めかけていても消滅は怖い。

この世から自分がいなくなることが何より怖い。

葵はそう思いながら眠りについた。



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