表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血鬼の姫は恋をご所望  作者: えりー
3/8

陽介

陽介は幼い頃から葵といつも一緒だった。

陽介は葵の事を妹扱いしているがそれは違う。

陽介は葵の事が好きなのだ。

ただ、葵は陽介の事をただの幼馴染だとしか思っていなくて告白のタイミングを逃していた。

好きな葵には灰になって消滅してほしくないと思っている。

自分が振られたらその後、彼女はどうなるのだろうと心配になった。

一度振られると今までのような関係が壊れてしまう。

そうなると誰が葵を守り、助けてやれるのだろう。

そんな考えがあるから、なかなか告白に踏み切れずにいた。

しかし昨日の水城という男は止めておいたほうがいい気がした。

あの笑顔の裏には何か得体のしれない何かがあるような気がしてならなかった。

「厄介な奴を好きになったものだな・・・」

陽介は溜息をついた。

陽介はなるべく水城と葵が接触しないようにしようと思った。

だが、葵に残された時間はあとわずか・・・。

「葵が俺の事を好きになってくれればいいだけの話なのにな・・・」

だが、一緒にいた時間が長すぎて葵は陽介を恋愛対象に入れていない。

陽介は葵に好かれるために、勉強やスポーツを頑張ってきた。

今では陽介に、勉強やスポーツに敵う者はいない。

陽介が頑張れば頑張るほど葵は陽介から離れていった。

その理由を聞いてみたら一緒にいると劣等感を感じるという事と、女子からの嫌がらせがひどいとのことだった。

そういう事なら何の努力もしなければよかったのだろうか。

結局そこまで努力しても異性として意識してもらえなかった。

やはり直接告白する方法しかないのだろうか・・・?

(でも、フラれるともう傍にはいられない)

陽介は頭を抱え、考えたがいい案が思いつかなかった。

とにかく陽介は水城から葵を守ろうと決めた。

彼が何かしてくるかはわからないが握手をしたとき、明らかな敵意を感じた。

それは、陽介に対する敵意ではなく葵に対するものだったように感じる。

もしかして水城は・・・葵の正体気がついているのだろうか・・・?

いや、そんなはずはない。

葵はああ見えて10年も人間界で育ってきた。

普通の人間にしか見えない。

普通と違う所と言えば、頭が異常に悪い所と、ど天然なほどの運動音痴、そしてあの美貌くらいだ。

あれで、吸血鬼界の姫だなんてとても思えはしない。

とはいえ水城は明らかに葵の何かに反応していた。

気を付けておいて損はないと陽介は思った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ