仕事部屋GET!!2
「哲ちゃん部屋もらったんだって。」
下山さんが手土産のケーキを母ちゃんに渡しながら、俺に話しかけてきた。
人手が来た。
「こっちだよ。」
散らかったままの部屋に下山さんを案内し、さっそくメンテに出すギターの選別にかかった。
ネックがそってたり、金属パーツが錆びていたりするギターが何本かあり、結局全てのギターをメンテに出すことになった。
「リラックスしに来たのに、俺働いてるじゃん。」
ブツブツ言いながらも、ギターを梱包し玄関まで運んでくれた。良い人だ。
「後は電話して引き取りに来てもらいますから。もう終わりですよ。」
すっかり片付いたへやに戻ってきてくつろいでいたが、フローリングにクッションだけで座っているとかなり冷えるので、下山さんは直ぐに引き上げていった。悪いことしたな・・・
数日後、下山さんが事務所のスタッフを連れてやってくると、ソファーやAV機器を仕事部屋に搬入しだした。
「これどうしたんですか?」
「事務所の物置にあった今はもう使ってないやつだから、ここへ持ってきた。」
「もらちゃっていいんですか?」
「いいよー。誕生日プレゼントだ。」
殺風景だった仕事部屋がすっかり寛ぎ空間に変わってしまった。何より床に直に寝ころばなくてすむトラが喜んでいる。ソファーの一番良い所はトラの指定席になった。
下山さんもコーヒーを飲んで寛いでいる。マリちゃんがいつの間にか俺の隣にに座っている。皆が其々に好きに過ごしている。いつも通りだ。
「あれっ、下山さん今日も来ていたんですか。」
「お前に言われたくねーよ。」
真壁さんもやって来た。芸能人って結構、暇なのか。
「俺たちクラスになると、そこまで頑張らなくてもよくなるんだよ。」
下山さんはそう言うが、真壁さんは直前まで仕事をしていたらしい。自分ちに帰れよ。
あれ、皆勝手に入ってきてないか。どうなっているんだ。




