お出かけ編(幼年期7)
今日は公園のママ友グループでカラオケに来ています。いつもなら俺たち親子は、まだ俺が小さいためにこういう会に参加はしていなかった。しかし今回はグループの女王マリちゃんが俺の参加を強要してきた。
母ちゃんは今までも参加したかったみたいだから、まあ良かった。因みに、今日トラは家で留守番のはずだったが、ついいつも通り頭に乗せてきてしまった。カラオケ店の着いてから気が付き拙いと思ったが、店員のお姉さんは俺たちを見て大きく頷くと、そのまま入店させてくれた。
部屋に入って飲み物が揃えば、カラオケ大会スタートする。俺はまだ上手く喋れないので、歌も歌わない。ジュースを飲みながら、皆の歌を聴いている。
当然、歌うのは子供がメインで、アニメの主題歌などを其々歌っている。
女の子はやっぱり日曜朝の女子向けアニメの歌が多くうたっているな。個人的には二作目の主題歌が好きだった。視聴率的には苦戦した作品だけどね。勿論、前世の話だけどね。
そんなことを考えながら皆の歌を聴いていたら、マリママがマリちゃんに心配そうに話しかけた。
「マリちゃん、今日は歌わないの?具合でも悪い?」
ちょっと歌を入れなかっただけで、体の心配をされるとは普段どれだけマイクを独り占めしているのか。
「今日はカラオケは要らないの。哲ちゃんのギターで歌うから。」
やっぱりねー、俺の強制参加は伴奏の為か~。予想通りだけど。丁度、トラが飽きてきていて俺の頭をテシテシしてくるので都合が良い。
「哲ちゃん、いつもの通りにね。」
ニヤッと笑いながら、マリちゃんが命令してきた。仰せのままに。
マリちゃんが歌うのは、ポップにアレンジされた童謡だ。そこからお気に入りのアニソンへのメドレー。いつもは伴奏を無視しているのを知っている皆は、ちゃんとマリちゃんの歌を聴くのは初めてのようだ。しかし、次第にノリノリで歌うマリちゃんに引き込まれていく。すでにトラはノリノリでニャーニャー言っている。
いつの間にか子供たち皆、歌っているし、ママたちも手を叩いている。まるでマリちゃんのコンサートのようだ。
カリスマがいる。トラは天才猫で、マリちゃんはカリスマだ。俺の周りには非凡な才能がひしめいている。
皆が楽しく歌っている中、俺だけ戦慄していた。ギターは弾いてたけどね。




