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あなたへ...2016年2月

菜の花

作者: あずま

あなたの仏壇に供える花を買いにいったら


可愛い菜の花が目に入った

食べてもおいしそうな

可愛い菜の花


もちろん飾るように背丈が高い種類で

おいしくはないのだろうけど


可愛くて

素朴な

春の花


ああ

春が来る


全てのものが芽吹く春が来る



娘さんをなくした人が言っていた言葉を思い出した


「花が枯れるのが切ない時期があったんです。」


そういってとてもきれいなプリザーブドフラワーを贈ってくれた


その気持ちが今は分かる気がする


花も

空気も

季節も

変わっていく

移ろっていく

成長していく


それなに

あなたはじっと箱の中


応えてくれることはない


まるで今日のことのように

あなたの笑顔が思い出されるのに


初めてのおねちゃんの運転する自動車に今日乗ったけれど

「絶対乗りたくない。死にたくない。」って

言ったに違いないあなたの嫌がる顔が目に浮かぶのに


それなのに

あなたが居ない


どんなに叫んでも

どんなにあがいても


あなたが居ない


菜の花は

生きるものは

それを

まざまざと突きつける


あなたが居ない

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