公衆厠所 第4公園
俺が入ったトイレでの落書き。
目標が書かれたその文章に違和感を感じたのだった。
『俺の目標:ホステス。
世界一のホステスになって、世の中の女性を癒したい。』
どこから突っ込めばいいのだろうか?
『俺』と表現しているから男か?
ネカマならぬ、トカマとか……
それに、ホステスが女性を癒す……
ありえないことはないが、普通はホストではないだろうか?
「うんっ?」
その下に、日付が入っている。
絵馬と勘違いしていないか……
「2000年11月30日」
あれから16年か……
もう大人になってホステスになったのか。
それとも、ホストになったのか。
気になるところではあるが、確認するすべはないなぁ。
あぁ、気になる。
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公園。
木々、噴水、銅像などがあり、私達を癒してくれる場である。
しかし、時々、私達の緊急事態に活躍してくれる場でもある。
そう、突然やってくる尿意だ。
私達の敵、尿意はいつ、何時やってくるかわからない。
まだ、大丈夫、と思って飲食店を出たりすると、急に尿意をもよおしたりする。
そんな時、公園なのだ。
最近のコンビニはあてにならない。
特に都内では、セキュリティの点から、トイレを貸してくれない。
トイレを貸してくれるかどうか分からないコンビニよりも公園を探す方が確実である。
「ふぅー、良かった、すぐに公園が見つかって」
今日は、餃子定食を食べた。
結構、ボリュームもあり、お腹も一杯になった。
店を出て歩き始め、消化を始めたのか、急に便意が……
「いつもの公園のトイレに寄るか」
自宅まで我慢しないことにした。
いつものトイレは暗く、汚く、寒い、3Kトイレだ。
和式なので、難しい。
少しでも外れると、大変な事になる。
慎重に狙いを定める。
ふんっ!!
見事、狙いは的中。
任務完了だ!!
『クリケットやりませんか?』
クリケット……
メジャーではないけど、少し興味あるスポーツだなぁ。
どこでやっているんだろう。
どれどれ、連絡先が書いてあるぞ。
しかし、今の俺には無理な事が分かるのだ。
次回は2016/01/28 07時です。