公衆厠所 第16公園
[第十五公園]
列ができている駅の男子トイレ。
俺はそれに並んだのだが……
『よし、やっと中に入れた』
しかし、よく見て見ると、小便器はあいている。
『あれっ、これって、個室の列?
しまった。
でも、恥ずかしいからこのままでいよう』
俺の番になって、個室に入る。
便座に座り、ふんばってみる。
意外にちょろっと出た。
まぁ、ちょっと休憩もできてよかったかな。
[第十五公園完]
----------------------------------------------------
[第十六公園]
『あぁ、トイレに行きたい。
でも、あと少しで直るんだよな。
よし、動作確認問題なし』
ある大学での修理の仕事。
今回は手ごわく、1時間も要してしまった。
担当者を呼び動作確認を実施し了承を得る。
「この報告書にサインをお願いします」
担当者がサインをする間、俺は、こらえていた。
『早くサインしてくれ』
しかし、こういう時に限って、
「そう言えば、今度の休日にリプレイスの作業ありますよね?」
なんて聞かれてしまう。
週末の状況はわかっているので、答えざるを得ない。
「ありがとうございました」
やっと、話が終わった。
そして俺はトイレに駆け込む。
『ふぅー生き返る』
我慢しただけ、解放感が半端ない。
一気に体の力が抜ける。
そして、いつもの癖で落書きを探す。
『っていうか、大学の中だから期待できないよな。
うん。あれっ、このトイレって』
周囲を見渡して、このトイレの違和感に気づいた。
→次回に続く