公衆厠所 第12公園
[第十一公園続き]
田畑の端にあった小さく木造のトイレ。
そこに彫られていたのは……
『活躍したいです』
素晴らしい目標だが……
何で活躍したいんだろうか?
「あれっ?」
この文字の頭に、何か彫られていた形跡がある。
しかし、それは後から傷が付けられていて読めなくなっている。
夢破れて、消したのか……
何か、切ないなぁ~
[第十一公園完]
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[第十二公園]
それが起きたのは、知り合いと飲んだ後の帰宅時の電車内。
何気なく外を見ていると、トイレに行きたくなってしまった。
乗換え駅までは、あと10分、次の駅まではもう少し。
「どうする?
降りる、あと10分我慢する?」
電車に乗る前にもしてきた。
まだ、尿意が出始めてからは、まだ間もないので……
「よし、あと10分我慢しよう!!」
そう決めたものの、10分は長い。
さらに、アルコールの尿意なのでまわりが早い。
早くついてくれ、と願う中、乗換駅の手前で急停車。
「非常ボタンが押されたので、安全が確認取れ次第発車いたします」
やばい。
そろそろ限界だ!!
早く電車よ、動いてくれ。
ほどなく、列車は運行再開。
しかし、俺の膀胱は破裂寸前。
扉が開くと俺はトイレにダッシュ。
何とか間に合った~。
広いトイレだが、俺が一番乗りで誰もいない。
そこに、続々と俺と似た境遇の奴らが入ってくる。
「やっぱり、皆、我慢していたんだな」
そんな風に思いながら、洗面台へ向かうとそこにある物が置かれていた。