粒子と空気
「じゃあ早速君が能力を使うための練習をしようか。」
そう言うと彼女は壁にあるボタンを押した。 驚いたことに机や本棚は床へと収納され部屋には何も無い状態になった。
「今更ながらすごいシステムですね。北条さん。」
そんな俺のことはお構いなしに北条さんは集中し始めた。
「それでは! 訓練をはじめましょうか。いくわよ・・・・・『ディメンジョン!!!』
そう叫ぶと彼女の前にを電気を帯びた『人形?』のような鎧につつまれた人の形の物体が姿を現した。大きさは彼女の腰の高さぐらいで白と黒のグローブをはめているようだった。
「これが私の能力、名前は『リバース・リバース』よ。さらにね。『キャッチ!!』
驚いたことに光は北条さんの両方の手にまとわりつき、形状を小手に姿を変えた。
「これもわたしの能力、左手は破壊、右手には再生の力が宿っているの。この状態を『アームズ』、さっきの人の形方をしたのが『ドール』と呼ばれているわ。」
「ドールに・・・アームズ。」
いまさらながらに驚いた。
「ちなみに初心者はアームズの状態をキープするのが精一杯、ドールは序列25番以上クラスの人ぐらいしか使えないから練習しないとね。」
(練習すれば使えるものなのか?)
「そういえば北条さんは序列何位なんですか?」
「13位。」
「え、今さらりとすごい言葉が帰ってきたような。。。」
「だから! 十三位!!」
「この学校何人いたっけな? ははは。」
笑い混じりにつぶやくと。
「男女合わせて800人、そのうち能力者は400人くらいよ。で、そのうちの上位10人が今の生徒会よ。」
「ちなみに昨日いたコニちゃんは32位。」
あの笑顔がまぶしい人が32位だなんて・・・
「でも去年の3年生を省いて繰り上げだから・・・去年なんて18位だったし。」
「十分強ぇーよ!!」
「あなたも練習次第で強くなれるわ。じゃあやってみましょうか。まず利き手を前にかざして。『キャッチ』と叫んでみて。」
言われた通りに前に出す。
(こんなことで出来んかよ。)
「「キャッチ!!」」
俺は手に力を込めて叫んだ。